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2001/03/23

<鳳仙花>◆10年ぶりの南北統一チーム◆

 4月23日から大阪市で開かれる世界卓球選手権大会に南北統一チームが実現することになった。韓国の金ハンギル文化観光部長官が北朝鮮を訪問し合意したもので、北の卓球協会側も国際卓球連盟に「南北共同宣言の精神で一緒に出場する」と公式に伝えてきた。

 合同応援団の準備をすすめてきた在日韓国民団、朝鮮総連の関係者たちもほっとひと安心したことだろう。実は、南北ともそれぞれ2月中に選手権への参加を表明しており、統一チームを危ぶむ声もあった。

 国際卓連は今回の統一チームを歓迎、選手選考の時間を与えるため個人エントリーの締め切りを特別に3月28日まで延期することを決めた。ぜひ、こうした配慮にもこたえて素晴らしいチーム編成をしてほしい。

 早速、世界選手権に備えて、4月初旬から試合直前までの合同合宿が計画されている。大阪周辺の和歌山県が候補地にあがっているが、南北の選手同士が友好を深める絶好の機会であり、在日の合同応援団も不便がないようサポートすることだろう。

 南北統一チームは91年の千葉卓球選手権以来10年ぶりのことだが、今回は昨年6月の南北頂上会談以降、南北間の和解ムードが高まっている中で実現する統一チームだけに世界も注目している。卓球の世界では韓国、北とも世界レベルにあるが、どれだけ相乗効果を発揮できるかも注目点だ。

 南北選手団は男女各12人の24人。チームの旗は白地に青の韓半島が描かれたあの統一旗だ。表彰式で使用する歌は「アリラン」。
昨年、シドニー五輪に南北の選手団が合同で入場行進し、世界の人たちに深い感動を与えたが、「南北が一緒になったら敵なしだ」といわせる素晴らしい試合を期待したい。(S)