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2001/11/02

<鳳仙花>◆韓国映画の新発見◆

 韓国映画ファンにとって、今週はとても忙しい。東京映画祭で協賛企画も含め韓国映画が実に18本も上映されており、話題作が多いからだ。そんな1本、「新羅の月夜」を見たが、大変上質なコメディーで、韓国映画の新しい側面を見た気がした。

 この映画は、古都・慶州を舞台にした友情物語で、韓国でヒットした最新作。札付きの番長と模範生徒の旧友が10年ぶりに再会。番長は熱血体育教師に、模範生徒はインテリやくざに変身していた。弟思いの食堂を経営する女性に恋をする2人が対立しながらも、暴力団との抗争の中で友情を確かめ合うという他愛のないストーリ展開だが、観客を笑いに包み込んだ。

 確かに、コミカルな雰囲気が全く違和感なく受け入れられた。「コメディーは難しい。コメディーで成功すれば一級だ」と言われるが、これが5作目の金相辰監督(34)の確かな演出力を示す作品だといえる。このような上質なコメディー作品がつくられていることは、韓国映画の底辺の広がりを示すものだろう。

 そういえば、韓国映画最大の800万人の観客を動員した「猟奇的な彼女」も、若者の恋愛模様をコミカルに描いたコメディーだ。韓国映画のジャンルの一つとして定着する予感がする。

 日本でも韓国映画の新作が続々と公開される時代になった。日本の観客は韓国映画から何を得るだろうか。昨年、大ヒットした「シュリ」で、南北分断が抱えている苦悩の息づかいがリアルタイムで理解できた。7、8年前にヒットした「風の丘を越えて―西便制」では、パンソリという韓国の伝統芸能の素晴らしさと、その伝承にかける執念が深く心に残る。まだ紹介されていない重要な作品も多い。必ず新しい発見をするだろう。(S)