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2001/08/10

<鳳仙花>◆朴セリの復活◆

 世界の朴セリ(23)が女子ゴルフ4大メジャーの一つ、全英女子オープンに優勝、完全復活を遂げた。98年に彗星のようにデビュー、全米女子プロと全米女子オープンに連勝して世界を驚かせてから3年。久しぶりのビッグタイトル制覇であり、朴セリ健在を強く印象づけた。大きな拍手を送りたい。

 今回の優勝は、最終ラウンド4日目に見せた大逆転だった。前日まで9位。カリー・ウェブら強豪がひしめく中、誰もが朴セリはもう優勝圏外とみていた。だが、1番ホールからイーグルを出し、勝利の女神が微笑みかけた。16番ホールでティーショットが大きくフック、あわや深いラフに突入かと思われたが大勢詰め掛けたギャラリーに当たり、命拾いする幸運に恵まれ、ここから大逆転劇が始まった。

 「朴セリはタイガー・ウッズ同様に後半に強い」といわれるが、彼女の粘り強さの秘密はどこにあるのだろうか。思ったようにスコアが出なかった初日、2日と会場近くの宿舎のゴルフ場で夜遅くまで練習を繰り返していた。応援に駆けつけた母親が「あまり無理をしないで」と心配するほどボールとの闘いが続いた。

 よくいわれることであるが、スポーツの世界でトップクラスに立つには血の滲むような練習と努力が要求される。ある著名な経済人は「世界一になりたいという執念は人を限界にまで駆り立てる」といったが、それを地でいったような人が朴セリだ。小さいころからの父親と2人3脚の過酷な訓練は伝説になっている。

 今大会では、朴セリだけでなく、最後まで優勝争いを演じ2位につけた金美賢の活躍も目を引いた。この2人を先頭に7人の韓国人女性がメジャー大会で32位までに入っている。コリアン旋風といっていい。

 いま韓国ではIMF危機以来の不況で企業も個人もリストラに苦しんでいるというが、彼女たちの頑張りを見習い苦境を乗り切ってほしい。(S)