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2002/03/15

<鳳仙花>◆W杯にみる国民性◆

 サッカーのワールドカップ(W杯)韓日共催大会まで、あと77日に迫った。韓国代表チームは悲願のW杯初勝利、そして16強入りをめざして欧州遠征を続けている。

 ヒディンク体制発足以後、欧州スタイルの組織プレーに取り組み続け、守備は安定してきたものの、攻撃力不足が弱点とされている。これについてはマスコミの批判も大きく、ファンからも不満の声が高まっている。攻撃力を高めるには技術はもちろんだが、ゴールを狙う精神力が大切との指摘が多い。

 ヒディンク監督は、「韓国人選手は規律正しく、精神力や技術もあるが、能動的なプレーや責任感が不足している」と話し、また「上下関係を大切にしすぎて若手からベテランに話しかけることが少なく、意思疎通に問題がある」とも語っている。

 これについては欧州や米国などが自己主張、自己責任を大切にする教育を中心に行うのに比べて、上下関係を大切にする韓国の儒教的教育という文化的な違いが大きいだろう。

 一方、日本代表チームの場合はどうか。トルシェ監督は、「日本の選手は概して内省的というか、おとなしいので、攻撃的姿勢をずっと求め続けてきた」と話している。それぞれの文化は大切にしつつ、両監督が要求する責任感、攻撃的姿勢を身に付ければ、韓日ともさらに強いチームになるのではないか。

 ヒディンク監督は現在、期待を寄せる若手ストライカー、李天秀(21)、李東国(23)、車ドゥリ(22)の3人に集中練習を行っている。正確なシュートの打ち方、GKと1対1で向き合った時の対応などはもちろん、このゴールを狙う執着心の育成にも取り組んでいる。

 過去、W杯で活躍したチームを見ると、必ずゴールハンターと呼ばれるストライカーがいた。16強入りへ向けて若手ストライカーの活躍を期待したい。(L)