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2003/10/31

<鳳仙花>◆拝啓 石原東京都知事様◆

 拝啓。あなたは、28日に都内で開かれた拉致問題の解決を訴える集会で講演し、韓半島の植民地支配にふれ、「決して武力で侵犯したんじゃない。日韓合併を100%正当化するつもりはないが、(植民地支配は)もっとも進んでいて人間的だった」と発言しました。植民地支配が「人間的だった」というのは、実に呆れた見識と発言です。あなたは、韓日の歴史について、少しでも勉強したことがあるのでしょうか。あまりにも無知蒙昧な発言で、公人であるだけに残念です。

 日本が植民地時代に韓国で何をしたか。人権の抑圧、土地の収奪、財産の没収、おまけに名前まで奪った(創氏改名)事実は、歴史の真実です。さらに、多くの韓国人を強制連行し、炭鉱や建設現場で酷使したことも周知のことです。こういった日本の所業が「人間的だった」とは、だれが聞いても納得できません。

 東京都には、外国人が33万4751人(法務省統計、昨年末現在)住んでいますが、そのうち韓国・朝鮮籍が10万1389人で、30・3%を占めています。終戦までは天皇の赤子と呼ばれていました。在日は、都民の一員として、経済活動に従事し、税金を払い、都の経済を支えています。これを考えれば、東京都の首長として、「妄言」など吐けるわけがありません。

 都は、外国人住民の声を都政に反映し、開かれた共生社会を築くために、97年に「外国人都民会議」を設置しました。外国人との共生、在日との友好促進は、都の施政目標だったはずです。

 あなたは、「第三国人発言」など、それに逆行する行動や発言を繰り返し、外国人の心を傷つけてきました。さらに追い打ちをかける今回の発言は、都知事として決して許されるものではなく、発言を撤回し、韓国・朝鮮人に謝罪していただきたいと思います。 敬具(H)