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2003/07/18

<鳳仙花>◆在日球児の暑い夏◆

 第85回全国高校野球選手権の地区大会が始まり、各地で熱戦が繰り広げられている。京都大会も12日、西京極球場で参加77校によってスタートしたが、その選手宣誓を行ったのが、京都韓国学園の李良剛キャプテンだ。

 李君は、「全てのプレーに全力を注ぐ『魂』、大会を支える人たちへの『感謝』、そして野球が与える『感動』は国境・人種・争いを超えるというメッセージを伝えることができるよう、一生懸命にプレーします」と、「魂・感謝・感動」の3つを盛り込んだ選手宣誓を日本語と韓国語を交えて行い、会場の大きな拍手を浴びた。

 「在日韓国人として生きる思い、戦争やテロが起こる社会での平和への願い」をあいさつに込めようと文案を考えたと李君は語っているが、その思いが会場全体に伝わった立派な宣誓だった。家族や学校関係者も、ほっとしたことだろう。

 京都韓国学園は、全国高校野球選手権の地区予選に出場している唯一の外国人学校である。創部は99年4月で、まだ4年しか経っていない。部員数も24人と野球部としては小さいが、昨年の地区大会ではベスト16に進むなど、勢いに乗っている学校である。

 甲子園出場を目指して在日球児だけでなく、韓国から野球留学を希望する生徒も出てきているそうだ。

 高校野球の在日韓国人選手というと、81年夏の甲子園大会、報徳学園対京都商業の決勝でスターティングメンバーに両校あわせて7人の在日選手が入り、、スコアボードに鄭や韓の名前が飛び交い、日本のマスコミの注目を集めたことが思い出される。

 それから20年が経ち、韓国学校が甲子園出場を狙う時代になった。同校が甲子園出場を果たし、在日選手が甲子園で選手宣誓する姿を見たいものだ。(L)