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2004/06/11

<鳳仙花>◆EUの両輪、独仏関係に学ぶ◆

歴史的なノルマンディー(フランス北部の海岸)上陸作戦から60周年を迎えた6日、現地で記念式典が行われたが、ドイツ首相として初めてシュレーダー首相が出席、注目を集めている。

 ナチスから欧州を解放する第一歩となったノルマンディー上陸作戦は、激しい戦闘で独軍、英米仏連合軍とも大変な犠牲者を出した。

 これまで、ドイツにとっては”勝者のノルマンディー式典”出席にはとまどいがあった。逆に仏国内では、ナチス憎しから出席に反対する意見もあった。そのため、10年前に当時のミッテラン仏大統領がコール前独首相を招待したが、出席を断ったという。

 しかし今回のシュレーダー首相の出席に独国民の70%が賛成し、さらに仏国民に至っては88%が支持した。

 いま独仏はEU(欧州連合)の両輪として、拡大EUを実現した。両首脳の信頼関係は揺るぎないものになっている。両国は現在、2カ月に1回首脳会談を開催している。また共同歴史教科書研究にも熱が入っているという。政治・経済・文化から軍事面に至るまでの緊密で幅広い交流が、過去の苦い歴史のくびきから両国民を解き放ったのだろう。

 私たち東アジアの韓日両国も、この欧州の独仏関係に学びたい。2002年のサッカーワールドカップ韓日共催、また大衆文化が相互に広まり、両国関係はいま最高の時期にあると言われる。

 しかし、時として日本の政治家の歴史的妄言が韓国の国民感情を刺激し、小泉首相の靖国神社参拝に反日意識をもたげる。歴史的火種はいまも懐に抱えた状態だ。歴史共同研究も大きな進展はない。

 来年は韓日国交正常化40周年。両国は文化人、学者などによる委員会を発足したが、それだけでは不十分だ。これを機会に首脳会談の定例化、共同歴史教科書作りなど各種プロジェクトを進めてはどうだろうか。そして将来的に、東アジアの両輪と呼ばれる関係を築いてほしいものだ。(L)