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2004/02/27

<鳳仙花>◆バイオ革命先導する韓国◆

 ヒトクローン技術を利用して「ES(胚性幹)細胞」を世界で初めて作り出した黄禹錫・ソウル大教授(50)がスター科学者として世界の注目を浴びている。

 ES細胞とは、「万能細胞」とも呼ばれ、神経や血管、臓器などからだのあらゆる組織を両親の遺伝した状態のまま蘇らせる夢の細胞だ。実用化までには少なくとも10年はかかるというが、がんなど難病克服に道を開く画期的な技術だけに、「英国の産業革命、シリコンバレーのIT(情報技術)革命に次ぐBT(バイオ技術)革命を成し遂げた」とまで激賛した。

 米国での研究成果発表を終え帰国した黄教授は、「米国の心臓部で2010年ごろと予見された生命工学の高地に太極旗を翻してきた」「スカウトの提案も受けたが、決して我が国の実験室を離れないだろう」と語り、ナショナリストの一面をみせた。韓国科学界の大いなる凱歌に在日同胞からも熱い拍手を送りたい。

 黄教授は、忠清南道・扶余の生まれ。黄牛(大きな牡牛)とあだ名されるほど牛とは切っても切れない関係にあった。小学生の頃から牛の繁殖や生理に関心を持ち、大学もソウル大獣医学部に進んだ。臨床獣医学博士となって後、84年から85年にかけて北海道大学で客員研究員を務めた経験もある。当時、牛クロー研究で成果を上げたと聞いたことがある。帰国後、動物の遺伝子操作や人工繁殖研究に没頭、99年に牛クローン誕生に成功した。国家科学技術賞などを受賞、発表した論文190編、著書17冊に及び、韓国国内では第一級の科学者として知られている。

 韓国政府は、バイオ産業を未来の有望産業として育成する計画を打ち出しているが、今回の世界的な成果は、韓国が半導体に次いでバイオ技術でも未来を先取りする大きな契機をつくったと評価したい。(S)