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2005/09/09

<鳳仙花>◆180度転換した北朝鮮感 ◆

 仁川の文鶴競技場で4日まで行われた第16回アジア陸上選手権で、韓日のマスコミは競技よりも北朝鮮の女学生応援団に関心を集中させていた。韓国の若者たちの間では美人で気品がある彼女たちへの話題でいっぱいになった。日本のテレビ局も競って「美女軍団」の応援風景を映し出していたが、その中で競技場を訪れた韓国人の親子連れの発言に耳目を引かれた。

 「金正日総書記をどう思いますか」のテレビアナウンサーの質問に小学生とみられる息子と娘は、ともに「立派だ」「偉い」と答えた。そばにいた両親もそのような答えにうなずくそぶりだった。一昔前の北朝鮮は鬼のようだと教えられた世代にとっては驚くべき変化である。

 韓国人の北朝鮮観が180度変わったことは、最近の世論調査でも、「北朝鮮が好き」と答えた人が63%にのぼっていることにも示されている。南北が軍事境界線に厳しく統制されている現実に変わりはないが、明らかに何かが違ってきた。

 2000年6月の南北頂上会談以降、政府間の南北閣僚会議など各種会議も南北を行き来して10回以上回を重ね、金剛山観光には100万人を超える韓国人が訪れている。開城への試験観光も実施された。

 北朝鮮側は、若い女性応援団を送り込むのが得意だ。2002年の釜山アジア競技大会で、「美女応援団」が大旋風を呼び起こした記憶が生々しい。日本のメディアは、巧みな宣伝戦の裏に隠された狙いを問題にしていたが、3000曲を作詞した作家のなかにし礼氏は、「思惑のあるなしにかかわらず、同じ民族が仲良くすることはいいことではないか」という趣旨のことをコメントした。 
 その通りだと思う。いま南北関係は、分断60年の対立と緊張を解き、共存共栄の道筋をつくる初めてのチャンスを迎えている。確かに問題点は数多くあるが、いま求められているのは積極的な提案だと思う。平和で誰もが交流できるように南北自由往来を早期に実現してほしい。(S)