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2005/11/25

<鳳仙花>◆大統領のAPEC首脳外交◆

 APEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれた釜山などを舞台に活発な首脳会談が展開された。特に、ホスト国の盧武鉉大統領は16日の中国の胡錦濤国家主席を皮切りに、19日までの4日間にペルー、米国、ブルネイ、ベトナム、オーストラリア、日本、インドネシア、カナダ、チリ、ロシアの順で11カ国首脳と会談をもつ大車輪の忙しさだった。

 特に中国とは2012年に貿易額を2000億㌦に倍増することに合意するなど蜜月ぶりをみせつけた。胡主席が、韓国国会演説で、「南北の対話を通じた関係改善と信頼構築、自主的平和統一の最終的実現を支持する」と強調した点も注目される。

 首脳外交は、お互いの国のトップ同士が胸襟を開いて諸懸案について話し合うところに意義があり、懸案解決へ向け大きく前進することがある。特に、会談だけでなく食事を共にしたり、訪問国の名所を一緒に見物すれば親近感も増すものだ。そういう意味では、国賓待遇で訪韓し、仏国寺も訪れたブッシュ大統領との韓米首脳会談は、まずまずの成果をあげた。

 それは、「韓米同盟と韓半島の平和」に関して、共同声明よりランクが上の「共同宣言」として発表したところにも表れている。特に、宣言で「韓半島の平和体制への転換の必要性」を謳い、ブッシュ大統領が「南北朝鮮の平和統一は我々の望みであり、いつかは平和的に統一されると思う」と言及した点は大いに注目したい。

 統一問題は韓民族の宿願であり、韓国戦争で直接戦火を交えた米中の両トップが明確に平和統一を支持したことの意味は大きいと思う。韓国と北朝鮮は、来年カタールのドーハで開かれるアジア競技大会と2008年北京オリンピックに単一チームで出場することで合意しており、何かが動き始めたという感じがする。

 盧大統領は就任以来、実に精力的に首脳外交を展開し、アフリカの国々まで駆けめぐった。「瓢箪から駒」ではないが、首脳外交がもたらす効果に期待したい。(S)