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2005/09/30

<鳳仙花>◆韓流ブームで韓国語学習熱◆

 日本での韓国語学習者が年々増え続けている。先頃、日本全国で第9回韓国語能力試験が行われたが、今年の志願者数は約8000人で、前年に比べ約1800人も増加した。97年の第1回試験は約1500人の志願者数だったので、実に8年間で5倍以上増えたことになる。

 また、大学入試センター試験の外国語枠に韓国語が導入されて4年になるが、第1回目は99人だった受験者数が今年は213人に増加した。

 このような韓国語学習者の増加は、韓流ブームの影響も大きい。ドラマや映画に登場する素敵な俳優が話す韓国語の響きにひかれて、韓国語に興味を持ったという人も少なくない。

 作家の故司馬遼太郎さんは、「日韓断層」の中で日本の若者が日本語と同じウラル・アルタイ語族の韓国語を学ぶことの重要性を次のように説いている。

 「韓国語を学ぶことで刃物を砥石で研ぐような過程と結果がうまれる。つまり、自分の中の母国語を客観視することができ、双方のあいだの微妙なちがいがわかり、人間の言語一般について考えるおもしろさも、御馳走を前にしたときに唾液が湧くように湧いてくるはずである。結果として自分の中の母国語が研ぎすまされてくる」。

 今の高校生や若者の多くが、韓国語の「アンニョンハセヨ」(こんにちは)や「ケンチャナヨ」(大丈夫です)という言葉の意味を知っている。隣国の言葉に興味を持つのは当たり前のことであるが、これまではそういった動きが見られなかったことを考えると大きな進展だ。

 語学を学ぶということはその国に対して興味があるからであり、興味・関心を持つと相手はそれを受け入れ、また好印象を抱くものなのだ。

 ドラマや映画の韓流から始まった波が、ハングルへと深化しているのは喜ばしいことだ。正しい韓国理解への新たなる一歩となってほしい。(O)