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2005/08/26

<鳳仙花>◆韓日協力進む骨髄バンク◆

 サッカーの元日本代表キャプテンの井原正巳さんが出ている骨髄バンクキャンペーンポスターを、駅頭などで見た方も多いだろう。日本は骨髄バンクへの登録が21万人、骨髄移植例数も6642を記録しており、米国、ドイツに次ぐ骨髄移植国である。

 白血病の治療に必要な骨髄移植だが、そのためには白血球(HLA)が適合することが必要だ。適合するドナーが見つかるのはまれで、家族であっても適合することは少ない。20年ほど前、在日の知人の大学生になる娘さんが白血病で入院したが、数百万円かかる入院費、見つからないドナーで苦労していたことを思い出す。

 日本に骨髄バンクが出来たのは91年12月で、発足直後から米国など外国との提携活動を進めてきた。そして韓国の患者家族や支援団体などと連絡を取る中で、HLAの一致率が韓国人と日本人間で高いことがわかり、99年5月、韓日の骨髄バンクが提携することになった。

 その提携から6年、日本から韓国にはこれまで108人が骨髄を提供している。海外への提供数132人のうち108人だから、圧倒的な数字だ。これだけの成果が上がったのは、HLA一致率が高いことに加え、日本の登録者数が急増したことが大きい。

 一方、韓国から日本へのドナー提供を見ると、2000年3月、近畿地区に住む当時10歳の白血病の少年が、30代の韓国人男性の移植を受けたのが初提供で、これまでに11例の実績がある。韓国は登録者数が累計10万人といわれているが、実数は大幅に下回るという。骨髄移植への関心はまだまだ少ないのが現状で、今後登録者数が増えれば、日本で適合する患者も増加が期待される。

 日本では今年3月からドナー登録年齢を20歳から18歳に引き下げて、登録30万人を目指している。井原さんが出ているポスターも、若者に登録を呼びかけるためのもので、反響は上々という。韓国でもより一層のキャンペーン活動を期待したいものだ。(L)