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2005/07/22

<鳳仙花>◆サムスンのシルクロード計画◆

 広大なタクラマカン砂漠を駱駝に荷を積んだキャラバンがゆく――東西文明を融合させ、中国、韓国、日本の文化形成に多大な影響を与えたシルクロードは、われわれの夢とロマンを限りなくかきたてる。敦煌の莫高窟など歴史的に価値の高いシルクロード遺跡は、人類の大いなる宝といえよう。しかし、数多く残る遺跡が風化や地域開発で存亡の危機にあるという。

 この人類の貴重な遺産を守ろうと、平山郁夫画伯らが永年奔走してきたが、この活動に強い味方が現れた。日本サムスンは、「サムスン・シルクロード文化財保護フェローシップ」を打ち出し、平山画伯が提唱する「文化財赤十字構想」を支援していくと発表、1億4000万円を支援し、中国でのシルクロード文化遺産の保護に乗り出す。

 具体的には、中国政府と提携し、来年から2010年までの5年間に約100人の文化財修復・保存の専門家を育成する。文化財修復の経験を持つ韓日中の中堅専門家が知識や技術を交換し、適切な教育プログラムを作成することにしており、韓日中の交流にも一役買う。

 さらに日本サムスンは、日本の大学生を毎年10-20人規模で中国のシルクロード遺跡地に派遣し、文化財修復現場の視察や地元の学生との交流事業も実施する計画だ。願わくば、これに韓国の学生も加え、3カ国の学生が交流できる場をつくってほしい。シルクロードは、東西文明の交流を促進し、東アジアの発展に大きく寄与した。若者たちがその歴史を学べば、連帯意識が生まれ、韓日中の友好につながるだろう。

 日本に進出した韓国企業が国境を超えた文化財保護プロジェクトに取り組むのは初めてで、日本社会にも刺激を与えるに違いない。日本企業も、この日本サムスンのプロジェクトに参加してみてはどうか。ライバル関係にある両国の企業が、利害を度外視して共同事業を行う、これこそ文明の橋渡しをしたシルクロードの理念にぴったりだと思う。(G)