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2005/06/17

<鳳仙花>◆海外逃避終えた金宇中氏の責任◆

 巨大財閥・大宇グループを空中分解させ、粉飾決算指示などで国際手配されていた金宇中・元会長(68)が14日、6年8ヶ月に及ぶ海外逃避生活の末に帰国した。健康悪化などのため帰国を決断したと見られているが、経営責任を放棄して長期間海外逃亡した責任は重いものがある。

 金宇中総帥といえば一代で総資産650億㌦、従業員15万人の巨大企業グループを創り出した立志伝中の人物として韓国の起業家の憧れの的であり、日本でも知名度が高く尊敬も集めていた。93年からは「世界経営」をスローガンに海外進出を本格化、世界に400の事業所を構える戦略に打って出た。文字通り日の出の勢いだった。

 だが、1997年末のIMFショックが思わぬ落とし穴となった。大宇はIMF(国際通貨基金)管理下の厳しい経済環境の中でも拡張を続け、海外事業所は利益をあげるよりは金融機関から借り入れた資金で借金を返済するという事態に陥った。負債が雪だるま方式に増える中、98年初めには双龍自動車買収という無謀な動きまで起こした。他の財閥の負債比率圧縮に向けた資産売却などとは全く逆のことを行ったのである。

 実は当時、IMFは大宇に対して「過剰設備」であるとの警告を行っていた。そのような忠告も無視した経営判断の明らかな誤りだった。さらに重大なのは経営悪化を覆い隠すため41兆ウォンに及ぶ粉飾決算や200億ドルに及ぶ資産を海外に持ち出すなどの不正を働いたという点だ。このような嫌疑については検察が徹底究明するだろうが、大宇崩壊の後始末に国民の血税、28兆ウォンにのぼる公的資金が投じられただけに責任重大だ。

 金元会長は仁川空港で「責任を取るために帰国した。国家経済に負担をかけたのはすべて私の責任」と国民への謝罪文を発表した。後顧の憂いのない責任をとってほしい。また、借金漬けで無謀に事業拡大に走った失敗を教訓として生かすべきだろう。(S)