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2005/03/11

<鳳仙花>◆韓日バレエ交流に期待◆

 韓国国立バレエ団の第5代芸術監督に今年1月、朴仁子さんが就任した。同バレエ団の運営諮問委員で淑明女子大学舞踊学科の教授でもある朴さんは、振付家としても高い評価を受けており、韓国バレエ界が世界レベルになるため、その手腕に期待が寄せられている。

 すでにレパートリーの拡充、年100回の定期公演の維持・拡充、ダンサー、振付家、技術スタッフの海外研修・交流促進などを基本方針にあげているが、ぜひとも実現してほしいのが、韓日バレエ交流の促進である。

 日本では馴染みの少ない韓国バレエだが、近年は国際的に評価が高まっている。

 国立バレエ団が結成されたのは、韓国戦争の混乱がまだ残っていた62年。当初レベルは低かったが、韓国が経済発展する中、バレエ愛好家が増え、それに歩調を合わせてバレエ団も発展してきた。

 97年に京都出身の在日2世、崔泰枝さんが国立バレエ団の第3代芸術監督に就任。
崔さんはダンサーや専門家が作品や演技について説明する「解説付きバレエ公演」の導入、海外のコンクールや公演への積極的参加などの方針を打ち出し、国際大会の韓国人受賞者を増やすなど、韓国バレエが急成長する礎を築いた。

 その崔さんが望んでいたのが日本公演、そして世界のバレエ界への進出だった。

 2002年の韓日国民交流年に国立バレエ団の日本公演が実現、同時に同バレエ団の金ジュウォンさんらが、新国立劇場の『ドン・キホーテ』にゲスト出演し、韓国バレエの水準の高さを見せた。 

 その後、昨年10月には日本バレエ協会主催の韓日合同バレエ公演に2人の韓国人ゲストが出演しているが、本格的なバレエ交流は残念ながら実現していない。

 バレエ大国日本と急成長の韓国が交流を深めれば、アジアのバレエ界全体の発展にもつながるはず。交流促進を期待したい。(L)