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2006/12/15

<鳳仙花>◆観光も東アジアの時代へ◆

 済州道で先週、第1回韓日中観光フォーラムが開かれ、観光振興のため3カ国が協力していくことをうたった「済州宣言」を採択した。同フォーラムは、韓国文化観光政策研究院、財団法人日本交通公社、中国社会科学院観光研究センターが主催して開いたもので、観光資源の共同開発やノウハウの相互供与、観光に関する共同研究を推進していくことで合意した。

 観光は、一般の産業と違い、相手国の文化や歴史にふれることによって相互理解を助け、交流を促進するはたらきがある。カルチャー(文化)には、「耕す」という意味がある。観光は「心を耕す」ことによって、多くの人々の心を豊かにする役割を果たすといえるだろう。

 アジアの観光産業は、世界中から観光客が集まるフランス、イタリアなど欧米に比べてまだまだ遅れており、開発の余地が残されている。韓日中が共同で観光資源の開発や観光客の誘致に取り組めば、大きな成果が上がるだろう。3カ国を周遊する観光コースを開発し、欧米から観光客を呼び込もうという計画もあるようだが、ぜひ実現させてほしい。昔、欧州に滞在していたとき、韓国や日本がどこにあるのか、正確に答えられず、中国と区別がつかない人が多かったが、韓日中が観光の共同市場をつくり、欧米からの観光客を増やせば、文化的地位の向上にもつながると思う。

 文化的側面だけでなく、経済効果も大きい。今年の観光産業の世界市場規模は4兆9638億㌦(WTTC=国際旅行・観光会議)に達する。佐藤喜子光(サトウ・キシミツ)・立教大学教授(観光学)は、2010年に観光が世界最大の産業に発展するとみており、特に韓国の観光潜在力に注目している。

 観光の語源は、易経の「国の光を観す」からきているといわれる。韓日中の観光交流が北東アジアの「光」となり、地域の発展をリードしていくことを期待したい。(G)