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2006/07/28

<鳳仙花>◆韓日ボーイスカウト交流◆

 「韓国の大統領はだれ?」、この質問に「盧武鉉」と答えられた日本の中学生はわずか4%で、高校生でも12%にとどまっていることが、歴史教育者協議会の大図建吾さんの調査で明らかになった。中学生の25%は韓国が日本の植民地だった史実さえ知らなかったという。これだけ、韓日間の青少年交流がさかんになってきているというのに、隣国に関する基本的事柄に無知な子どもたちが多いことに愕然とする。

 この原因はなんだろう。学校や大人が教えないのか、それとも韓国に対する関心が薄いのか。今後の韓日関係を考えると暗い気持ちになるが、それでも相互理解を深めようという試みが両国の間で進んでいるのは明るい希望だ。

 その一つに来月10日から金沢(石川県)で開かれる日韓スカウトフォーラムがある。韓国から70人、日本から70人の中高生ボーイスカウトが集う。今年は、特別に米国から30人が参加し、ホームステイなどで交流を深める。

 この催しは98年の韓日首脳会談で交わされた共同宣言に基づき、両国の相互理解と友情を育むために始まり、今年が8回目。参加者たちは、単なる交流にとどまらず、相手国について学び、政治や歴史も議論にのぼる。

 昨年の参加体験談で、次のようなエピソードが紹介されていた。千葉から参加した関野翔梧君は、ホームステイした金スンファン君から百ウォン硬貨を見せられ、刻まれている人物を知っているかと聞かれた。知らないと言うと、金君は「李舜臣」という名将軍で、むかし豊臣秀吉の軍を破った人だと教えてくれたという。こういう体験は、生きた知識を身につけ、相手国を理解するのに大いに役立つ。

 相手国と友好関係を築くには、相互理解が不可欠で、それには歴史事実の共有や共通の知識を持つことが必要だ。スカウトフォーラムは、10年間で韓日青少年1万人の交流をめざしているが、これを10万人、20万人に増やしていってほしいと思う。(G)