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2006/06/23

<鳳仙花>◆韓国サッカーの神髄◆

 サッカーは世界のスポーツである。ボール一つあれば、貧富の差なくだれでも参加できるため全世界に普及した。だが、サッカーは過酷なスポーツであり、休みなく動き続ける機械のような強靱な肉体と瞬時の判断力を求められる。そのような素晴らしい肉体を持った選手たちが的確な判断力とシュートを随所に見せながら世界最高の試合を見せてくれるのがワールドカップ(W杯)であり、世界の人々を熱狂させるゆえんである。

 そんなW杯ドイツ大会で韓国チームが、ベスト4入りした2002年韓日共催大会を彷彿させる活躍をしている。初戦トーゴに逆転勝ちし、第2戦の強豪フランスにも後半追いつき引き分けた。先制されても諦めず、慌てない自信と闘魂が伝わってくる試合だった。当初、決勝トーナメント出場を危ぶむ声が多かったが、もはや韓国国民すべてが代表チームを信じているといっていい。司令塔の朴智星選手は、「どこまで上がっていくのか我々も分からない」と自信のほどを語った。

 韓国チームの特徴に精神力がある。逆境に強いのは、波瀾万丈の韓国現代史そのものが反映されているのかも知れない。そして、戦っている自分たちを支えてくれ、さらに奮い立たせてくれる国家や国民の応援がある。19日のフランス戦、未明にもかかわず国民の2人に1人がテレビ観戦、70万人が街頭に繰り出したことがそれを如実に証明しているといえまいか。それに応えるかのように、韓国選手は今回も死に物狂いの攻撃と燃えるような闘志をみせてくれた。

 日本代表のGK川口能活選手は、そんな韓国代表を見習おうとこう言っている。

 「韓国は失敗を恐れず、物怖じせず攻撃する。僕たちは韓国のような精神力が必要だ。結果を恐れてはならない」
 
 欧州、南米が圧倒するW杯で、韓国が活躍する姿に「アジアの誇り」と絶賛する声もあった。中国の新華社は、「韓国の人々にお祝いの意を表さざるを得ない」と報じた。決勝トーナメント進出をかけた24日のスイス戦の注目度は高い。最後まであきらめない韓国の精神力を見せてほしい。(S)