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2006/06/02

<鳳仙花>◆劇団四季の韓国進出◆

 「劇団四季」(浅利慶太代表)が韓国に進出する。ソウルの蚕室に建設される韓国初のミュージカル専用劇場「シャロッテ」で、10月末から「ライオンキング」の韓国語公演を行うものだ。今後、継続的に上演していく計画で、ミュージカルの世界も、本格的な韓日交流がスタートすることになる。

 実は2年前に韓国でのミュージカル公演の計画を立ち上げたが、韓国ミュージカル協会などから「国内市場の侵略になる」と強い反対の声があがり、断念せざるを得なかった経緯がある。浅利代表は当時、「反日ムードが広がるならあきらめざるを得ない」と、無念な思いを語っていた。

 劇団四季は「ライオンキング」をはじめ、「オペラ座の怪人」「キャッツ」などのミュージカル作品が超ロングランヒットを続け、東京、大阪などに専用劇場を有する日本最大規模の劇団だ。

 韓国との交流を始めたのは94年。韓日文化交流の一環としてソウルで「ジーザス・クライスト=スーパースター」の日本語公演を行っている。

 2003年からは韓国の俳優志望者を研修生として受け入れるようになった。韓国人俳優の声の良さに注目したもので、現在60人近くが学んでいる。

 韓国の関係団体は、「進出に反対し続けることは出来ない」と、消極的ながら受け入れを認める意向というが、韓流効果で映画やテレビドラマの交流が盛んになったように、ミュージカルも相互に刺激し合うことで、より大きく発展するはずだ。実際に「ジキルとハイド」や「ギャンブラー」などの韓国ミュージカルが、この間日本に進出し、成功を収めている。

 劇団四季は、「韓国人俳優の養成やアジアのミュージカルを発展させたい」と意気込みを語っている。多分野で交流の幅が広がるほど、韓日相互理解の進展につながる。今回の進出を温かく見守りたい。(L)