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2007/12/14

<鳳仙花>◆韓日企業の地球規模の貢献◆

 最新刊の「日韓企業戦争」(阪急コミュニケーション)を興味深く読んだ。国際市場で激突する韓国と日本企業のグローバル競争の実態を自動車と薄型テレビ分野で活写、韓日企業戦争の行方を占った本だが、単なるビジネス書にとどまらず、貴重な提言を盛り込んでおり、今後の韓日関係を考える上で極めて有意義な読後感が得られた。

 著者の論点を簡単にまとめると次のようになる。

 「自動車分野では、韓日両国勢が世界需要の40%を供給し、市場拡大部分の80%を担っている。薄型テレビでは韓日両国勢が世界需要の80%超を寡占している。これだけの巨大な影響力をもつ両国勢が、世界市場のシェア争いに熱中し、勝ち負けだけの喜怒哀楽にうつつを抜かしていては単なるエコノミック・アニマルに過ぎない。21世紀の人類的な課題である環境技術や太陽電池、水素電池、新素材の開発など韓日両国勢が協力して技術の世界標準をつくり、地球規模で貢献する『文明的』な責務がある」

 著者の林広茂・同志社大学大学院教授とお会いして、お話を聞いたが、本書の行間に滲む韓国への温かい目線通りの人だった。植民地時代の韓国生まれがそうさせるのか。林教授はマーケティングの専門家だが、「共通の目標を設定して共同作業をすれば自ずと相互理解につながる」と韓日がスクラムを組む必要性を力説された。国際収支から韓国経済を分析した「本当にヤバイ!韓国経済」の著者の「冷たい目線」と対極にあると感じた。

 実は、本紙で連載中の「競争から共創へ」で韓国進出日本企業経営陣らは一様に、韓国企業とのパートナーシップはとても大事であると指摘、すでに第3国に共同進出するグローバル展開が始まっており、研究段階から共同で取り組み、世界標準をつくろうという提言もあった。ビジネスの世界では、林教授の主張と相通じるところがあるのは偶然ではないだろう。

 「アジアの時代」が、単なる掛け声ではなく、世界文明に対する具体的な貢献として韓日がその役割を果たす時代がきたのかも知れない。その認識が広く形成され、実践されることを願いたい。(S)