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2007/10/12

<鳳仙花>◆直行便で白頭山観光 ― 広がる夢◆

 先の南北頂上会談で白頭山とソウルを結ぶ直行便の開設が合意され、白頭山観光への関心が高まっている。

 白頭山観光は現在、中国側から登っている。中国経由のため時間的ロスが多く、直行で行けるようになれば韓国国民にとって願ったりだ。

 朝中国境地帯にある白頭山は、頂上に天池と呼ばれるカルデラ湖があり、鴨緑江や豆満江はこの湖を源流としている。標高2750㍍の韓半島最高峰である白頭山は、紺碧の水を湛えた火口湖の天池を抱き、「民族発祥の聖山」として崇められてきている。

 白頭山へは、三池淵(サムジヨン)空港が空の玄関口となり、天池とを結ぶロープウェイも架設されアクセスは大幅に改善される見込みだ。しかし、周辺には宿泊施設も少なく、白頭山観光だけでは物足りなさがある。この際、ぜひ平壌や開城を通って行くコースも開発してほしいものだ。

 さて、白頭山観光は直行路が開設する来年4月を待たなければならない。実現するには、三池淵空港の既存滑走路の整備をはじめ、滑走路の新設やターミナル建設のために約2800億ウォンの空港開設資金が必要となる。韓国内では今、60兆ウォンとも言われる南北経済協力事業に必要な費用をどう調達するのか議論されており、財源には難しい問題もあるだろうが、鋭意工夫してほしい。それだけ重要なテーマである。

 かつて、韓国から金剛山に行くことは夢だった。しかし、1998年に故鄭周永・現代グループ会長が501頭の牛を連れ休戦ラインを越えて北朝鮮入りし、それを機に金剛山観光が始まった。当初は海路でしか行けなかったが、陸路でも行けるようになり、昨年は約24万人、今夏には累計150万人を突破した。分断以降、これだけ多くの人が北朝鮮を訪れたのは初めてのことであり、白頭山には、金剛山以上の効果を期待したい。そして、1日も早く南北を自由に行き来できる日が訪れることを願いたい。(U)