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2007/07/13

<鳳仙花>◆過度なウォン高・円安是正を◆

 ウォン高・円安が急速に進んでおり、その影響が無視できない水準に達している。韓国の中小企業からは、「もう原価節減努力の限界を超えている」との悲鳴の声が聞かれる。政府としても、より積極的な対応が必要な段階にきているのではないだろうか。

 対円レートは通貨危機後、100円=1000ウォン台で安定していた時期があった。だが、日本のゼロ金利の長期化でじりじりと円安が進み、いまでは100円=750ウォン台になった。この2年余の間に25%ほどウォンは切り上がったことになる。特に今年に入ってからのウォン高・円安は急激である。その影響は貿易統計にはっきり表れている。5月末現在、対日輸出はマイナスに陥り、対日貿易赤字は過去最大の年間300億㌦に達する勢いだ。

 韓国を訪れる日本人旅行者も、円の価値がすっかり目減りし、購買力が低下しているのを実感している。逆に、韓国人旅行者にとっては、いまが日本訪問のチャンスとなるが、いずれにしても、為替レートが急激に変動するのは被害の方が大きいので、なるべく避けたいものだ。

 過去に「プラザ合意」の経験がある。1995年、当時のレーガン米大統領がG5(先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議)を開き、強力な協調介入でドル安・円高を誘導した。半年たたずに1㌦=240円台から1㌦=200円台となり、その後一時80円台まで突き進んだ。現在はどうか。日本銀行によると、海外通貨に対する円の総合的な価値を示す「実質実行為替レート」は、6月に93・4を記録、プラザ合意時の94・8を下回る円安水準になったという。

 10年前に東アジア諸国は通貨危機の苦い経験がある。プラザ合意ではないが、韓日間でまず、いまの急激なウォン高・円安を是正するため政策協調をすべきだと思う。この地域に経済的影響の大きい日本と韓国に積極的な対応を望みたい。(S)