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2007/05/25

<鳳仙花>◆太陽光発電 ――韓国の挑戦◆

 6月にドイツのハイリゲンダムで開かれるサミット(主要国首脳会談)で地球温暖化が重要テーマとして浮上している。温室効果ガスの削減は、世界の共通課題であるからだ。こうした環境問題の重要性に照らし、太陽光発電が再び見直されようとしており、韓国では積極的な取り組みが始まった。注目すべき動きだと思う。

 現在、韓国で建設許可を受けて建設中か事業を推進している太陽光発電設備は261件にのぼる。合計出力12万1000㌔㍗で、これは5万世帯が使用できる電力に相当するという。昨年末までに運用されていた太陽光発電設備は69カ所・出力1万1000㌔㍗であり、あっという間に10倍以上の設備が建設されることになる。

 ポスコ、LG、熊津など、太陽光発電事業に参入する企業も相次いでおり、単一設備としてはアジア最大の太陽光発電所が慶尚北道聞慶に完成した。全羅南道・新安郡の660万平方㍍の敷地に世界最大の太陽光発電団を建設する計画もある。さらに、世界トップ10入りをめざす太陽電池メーカーも現れた。未来産業への新たな挑戦といえる。

 太陽光発電はいうまでもなく、太陽の光を直接電気に変えるので、地球温暖化の原因であるCO2(二酸化炭素)などの排出ガスの心配がない。環境にやさしいのだが、コスト面で採算性が合わないためなかなか普及しなかった。大きなネックはシリコンを使う太陽電池の高価格だ。だが、技術開発が急速に進み、原油価格の急騰などを受け、状況は大きく変化している。

 韓国は30年ほど前、半導体を有望産業に指定、集中的に育成して、今日の電子産業の成功を収めた。太陽光発電は地球規模の市場の広がりがあり、未来の有望産業になりうる。半導体のように集中的に育成、開発に取り組んでほしい。(S)