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2007/04/27

<鳳仙花> ◆韓日企業の対ベトナム投資◆

 4月30日はベトナム戦争が終結した日に当たる。これを前に、先週、ホーチミン市(旧サイゴン)に行ってきた。1975年のサイゴン陥落から30年余り、戦火の跡はあとかたもなく消え、街は活気に溢れていた。

 通りはイナゴの大群が舞い降りたように、ブンブン唸りを上げて疾走するバイクの集団で埋め尽くされ、3人乗りは当たり前、親子5人乗りというのも見かけた。ほとんどがホンダ、ヤマハといった日本製だ。

 まだ自家用車は少なく、営業車ばかりだが、トヨタやホンダに混じって現代、起亜などの韓国車がたくさん走っており、驚いたことに、韓国製のベンツのワゴン車をあちこちで見かけた。また、現代のトラックやバスがたくさん走っていて、一瞬、ソウルにいる錯覚にとらわれた。

 いまや、ベトナム経済は、韓国が支えていると言ってもいい。韓国は昨年、17億6000万㌦をベトナムに投資し、外国人投資でトップになっている。ちなみに日本は8100万㌦で5位。街の中心部では、錦湖アシアナが手がける複合タウンの建設が急ピッチで進んでいた。GSも54階建て「サイゴンパークタワー」を建設中だ。サイゴン河には韓流スター、チャン・ドンゴンがほほえむ巨大なポスコ建設の広告があり、中心街でも日本企業に混じってサムスンやLGの看板が目立つ。

 日本企業も、韓国に負けじと対ベトナム投資を拡大しており、高速鉄道建設、ハイテクパーク建設など大型プロジェクトへの参加を進めていると聞いた。こういった政府プロジェクトは、1000億㌦以上の巨額の資金を要するため、単独では難しい。韓日が共同で投資するなど、連携してベトナムの経済開発を支援してはどうだろう。

 かつて、この国には日本軍が駐留し、韓国もベトナム戦争に派兵した負の歴史を持つ。両国がベトナムを支援することは、大きな意義を持つといえよう。(G)