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2008/11/14

<鳳仙花>◆G20首脳会議と韓国◆

 世界を襲った金融危機にいかに対処するか――米ワシントンで15日、世界の主要国トップが集まるG20(先進7カ国+韓国など新興12カ国+EU=欧州連合)首脳会議が開かれ、対策を協議する。

 米国発の金融危機は世界不況を呼び起こしており、G7(日米欧など主要先進国)だけでは問題を解決できないと判断、今回の初のG20首脳会議となった。

 韓国はこの歴史的大舞台でどんな役割を担おうとしているのだろうか。李明博大統領は、最近の韓日英3紙共同会見で、次の2点を述べている。

 一つは、金融危機が発生した理由を探し、事後対策を講じることだ。IMF(国際通貨基金)が事前警告せず、事後対策をうまくできなかったと指摘されているので、国際機関の機能強化について議論することになるだろう。

 もう一つは、実体経済をこれ以上悪くしないことが緊急の課題だ。保護貿易政策をとったり、市場経済を後退させることがあれば、世界経済の活性化の妨げになる。この点については韓日中の3カ国が積極的に主張すべきだ。

 正しいスタンスだと思う。現在の世界的な金融危機は、いってみれば欧米先進国の金融システムの失敗のとばっちりを世界各国が受けた形になっている。先のG20財務相・中央銀行総裁会議は、「金融危機は先進国の不十分な金融規制・監督の結果」と明記した声明まで発表している。

 自由貿易の原則を守ることも重要だ。1930年代初の大恐慌時代には、各国が自己防衛に走り、貿易障壁を設けたので世界貿易は3分の2も縮小した。歴史は繰り返すではないが、米国などで早くも自国産業保護の動きが起こっている。貿易依存が高い韓国はもとより、日本、中国や多くの途上国にとっても警戒を要する。

 ともかく、今回の会議では先進国と主要新興国が危機の認識を共有し、結束して難局に立ち向かう決意を確認することになるだろうが、これを機に韓日中3カ国は金融面でも協力関係をより一層緊密にすることが重要だろう。(S)