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2008/12/12

<鳳仙花>◆日本女子プロゴルフ協会の“韓国人排斥”◆

 日本女子プロゴルフツアーが先月末、今季37試合の全日程を終え閉幕したが、今年も賞金女王を惜しくも逃した李知姫ら韓国人選手の活躍が目立った。いまや、日本ツアーに韓国人選手は欠かせない存在といっていいだろう。

 ところが、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が、日本ツアーに参加する選手に対して課している「ルールに関する筆記試験」を強化し、物議をかもしている。この試験は英語と日本語で行われているが、これまで認めてきた通訳の同伴が先月から禁止になり、事実上、英語圏以外の外国人はすこぶる不利になった。

 なぜ、いまになってこのような措置を講じたのか。協会側は、「公平を期するため」と説明しているが、その背景には、韓国人選手だけが活躍すると、ギャラリーが減ったり、テレビの視聴率が落ち、スポンサーがつかなくなるという理由があるようだ。しかし、スポーツの世界で、このような言語差別は前代未聞といっていいだろう。韓国紙・中央日報などは、「事実上の韓国人の締め出し措置」として強く非難しており、韓日の摩擦に発展しかねない。

 今年8月、USLPGAコミッショナーのキャロリン・ビベンズ氏が、「来年からすべての選手に英語の使用を義務付ける」と発言したところ、人種差別だとの声があがり、2週間後に撤回した。日本が同じ轍を踏むのは賢明ではないだろう。

 今回の日本の措置は、時代に逆行するだけでなく、日本のゴルフ界にとって大きな損失になると危惧する。強い外国選手と競ってこそ、技術の進歩があり、ゴルフ界の発展にもつながる。世界で常に韓国人選手と戦っている宮里藍選手や上田桃子選手らは、「韓国選手のプレッシャーに強い精神力、ここぞというときに発揮するパワーは参考になる」と話しており、韓国選手の存在は大きなプラスになっている。今回のねらいが「韓国人排斥」ならば考え直すべきだろう。(G)