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2009/01/09

<鳳仙花>◆企業経営者のリーダーシップ◆

 今年は経済の年であり、世界的な経済危機をいかに克服するかが、どの国どの企業にとっても最大課題である。厳しい時こそリーダーシップが問われるが、韓国経済を牽引する財閥グループ総帥ら経営トップは、新年辞や始務式で、強い危機意識をみせながらも未来に向けての挑戦の意思を鮮明にした。危機突破の舵取りはどうあるべきなのか。

 10大財閥グループ会長の新年辞には、「危機」という言葉が30回以上もあった。サムスンを対外的に代表する李洙彬・サムスン生命会長は、「衝撃は今年さらに深刻化し、企業はシェア争いではなく生き残りのための競争を展開するだろう。今後、存亡をかけた無限競争の渦中で、数多くの企業が去り、サムスンも決して安心することはできない」と危機意識を露わにした。

 もちろん、このような危機意識なしに現在の経済難局を乗り切ることはできないが、景気が回復した時への備えも大事だろう。

 具本茂・LGグループ会長は、「状況が厳しいと懸案にのみ没頭すれば、2〜3年後にはそれ以上新しいものがない企業に転落するほかない。未来への準備を続けなければならない」と強調した。未来への準備はすなわち投資である。李亀沢・ポスコ会長は、過去最大となる6兆ウオンの今年度国内投資を計画通り進めると明らかにした。

 難局に際してリーダーがどのような決意で臨んでいるのかは、勝敗の分かれ目だといわれる。

 経済専門誌「フォーブスコリア」は昨年、「CEO(最高経営責任者)に薦める映画10選」の一本に「ゴッドファーザー」を選んだ。米国を舞台にした70年代のマフィア映画で、マーロン・ブロンド演じるボスのビトー・コルレオーネがみせた勇気と決断力、ビジョンとリーダーシップ、さらには妥協と協同の精神が高く評価された。

 犯罪組織を美化できるはずもないが、選定理由は「厳しい時代に企業経営者に参考になる」と見たからだ。いずれにしても、国家も社会も企業も人間の営みで成り立つ。勇気をもらい、奮い立てば道は切り開かれるものだと信じたい。(S)