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2009/09/04

<鳳仙花>◆ニュージャパンのアジア重視◆

 民主党が政権奪取に成功した選挙結果に対して、韓国のメディアは「ニュージャパン(新日本)」と呼んで、期待感を表明した。その期待の一つがアジア重視の外交政策であり、マニフェストに記した「東アジア共同体構想」の実現だ。鳩山由紀夫代表はアジア共通通貨の実現にも言及している。歴史認識問題でも靖国に参拝しないことを明言しており、これまで繰り返してきた閣僚の妄言や歴史認識問題の克服も期待したい。

 民主党は今回、マニフェストで「東アジア共同体の構築をめざし、アジア外交を強化する」として、韓国、中国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築に全力を挙げることを明記している。マニフェストは言うまでもなく、選挙民との契約であり、選挙民の圧倒的多くの付託を受けた以上、これを実現しなければならない。 

 韓国にとっては、韓日関係を強化するチャンスである。鳩山代表は韓国との外交を特に重視しており、今年5月に党代表に就任した際、海外初の訪問先に韓国を選び、李明博大統領と会談、信頼関係を築いた。また、鳩山代表の妻も母も熱烈な韓流ファンとされ、家族が韓国に親近感を感じていることは、首脳間の潤滑油にもなるだろう。

 韓日関係が強化されれば、アジア地域の平和と繁栄の大きな礎になると思う。韓国側は定住韓国人への地方参政権を与える問題の速やかな解決も望んでいるが、これに対しても前向きだ。日韓関係を築く好機到来といえる。

 ソウル大国際大学院の朴喆熙(パク・チョルヒ)副教授は、韓日関係が今後がらりと変わることを両国民に、そして世界に発信すべきであり、これは民主党政権にとって重要な課題の一つになると強調していたが、まさにその通りだと思う。

 「アジア重視」「東アジア共同体構想」を実現するため、鳩山新政権は過去の歴史を乗り越えて近隣諸国との不信を解消しなければならないが、隣の韓国との信頼関係を構築し仲間意識を強めることは何に増して重要なことだと思う。(S)