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2009/11/06

<鳳仙花>◆韓国の経済発展に学ぼう◆

 開発途上諸国で「韓国の経済発展に学ぼう」という機運が広がっている。今年も15カ国から「経済発展のノウハウを伝授してほしい」との要請があり、政策課題だけで79件に達する。農村の近代化を実現した朴正熙大統領主導の「セマウル運動」は多くの途上国の模範になっているが、経済開発政策もモデルなるとの評価が高まっており、韓国政府としても積極的に応えるべきだろう。

 「ノウハウ伝授」の要請は多岐にわたる。中南米のペルーやパナマ、コスタリカ政府からは、経済開発と輸出振興政策を樹立する手助けを求められた。アフリカのガーナなどからは産業発展政策の樹立を、カザフスタンからは産業革新戦略樹立のため韓国人政策諮問官の派遣を要請された。クウェートは、韓国政府諮問団の指導を受け、金融・貿易のハブへ向けた「5カ年開発計画」を樹立した。

 韓国の成長経験は途上国だけが評価しているのではない。オバマ米大統領は、米ピッツバーグでのG20(主要20カ国・地域)首脳会議ではアフリカ諸国が経済成長のため見習うべき国として韓国をあげ、「韓国政府は、民間部門および市民社会が団結して透明性と責任性、効率性を追求できる一連の制度改革に成功した」と評価した。

 最近訪韓したピーターソン国際経済研究所のバーグステン所長は、「先進国と途上国の共感帯形成へ向け、韓国が懸け橋の役割を十分果たせる」と期待を表明した。

 韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる急成長をとげたが、いまは途上国の優等生レベルではない。来年にはG20首脳会議を主宰するほど国際経済社会での影響力は増しており、「途上国の星」と映っているかも知れない。経済発展を願う途上国の要請に応えるのはもちろん、G20の場では途上国経済を引き上げる制度づくりにも取り組むべきだろう。世界には多くの貧しい国が存在しており、潘基文・国連事務総長が世界の貧困撲滅を訴えている。貧しさを経験した韓国の経験が役立つことを願いたい。(S)