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2009/02/13

<鳳仙花>◆「種の起源」と「緑色革命」◆

 進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが生誕200周年を迎えた。1809年2月12日に英国で生まれ、50歳になる1859年11月24日、近現代の人類に最大の影響を与えた本「種の起源」を出版した。ダーウィンはその本で、「地球上で生き残る種族は最も強い種族でなく最も知的な種族でもない。環境の変化に最もよく適応する種族だ」と述べている。進化論の核心をなす言葉だ。しかし、いま人類が適応でき難いほどに環境破壊が進んでいる。

 環境学者たちは、人類は100年以内に種の存続を脅かす危機に直面するだろうと警告している。経済成長至上主義と人口爆発で生命環境が急速に悪化しており、温暖化による異常気象は農作物に甚大な被害を与えている。食糧危機、水不足、大気、土壌、水の汚染が人々を襲っている現実が確かにある。

 そこに未曾有の世界経済危機が人々を不安にさせている。何がこうさせたのか。作家の辻井喬氏は「近現代の文明の検討を進めていくと否定的な面が見えてくる」と述べているが、資本主義文明に対する反省の声も聞かれる。成長のあり方が問い直されているのである。

 これは古くて新しい問題だ。41年前に凶弾に倒れたロバート・ケネディーはGNP至上主義に対して警鐘を鳴らし、「タバコの宣伝広告やドアに取り付けた特別の防犯錠、それを突破した強盗をぶち込む刑務所はどれも含まれるのに、詩の美しさや夫婦の絆は含まれない。森林破壊や核弾頭の費用は計算されても、公開討論や英知は加算されない…」と述べていた。

 地球環境のこれ以上の悪化は、人類の生存のためにも放置できない。人々が適応しえる環境にする努力が必要だろう。だからといって、成長が止まるわけではない。韓国で昨年、「緑色成長」という概念が打ち立てられた。環境重視の成長路線だ。李明博大統領は今年の国政方針で、緑色成長で未来を準備すると宣言、クリーン・エネルギーの普及、代替水資源の普及、全国一周自転車道路の設置などの政策が打ち出された。環境革命を国づくりの基本として取り組んでほしい。(S)