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2010/09/10

<鳳仙花>◆韓流の新しい波の問いかけ◆

 NHK午後9時の看板番組「ニュースウォッチ9」のトップニュースで、韓国女性アイドルグループ「少女時代」の日本デビューライブの様子が実に5分近くも放送された。これを見て、「韓流もここまで来たか」と驚いた人は多かったのではないか。

 そのデビューライブに集まった2万人は、多くが10代、20代の女性だった。『冬のソナタ』で始まった韓流ブームは、当初30代以降の女性が中心だったが、そのすそ野が徐々に広がり、『宮廷女官 チャングムの誓い』で男性ファンも獲得した。

 いまや韓流ドラマは時代劇から恋愛物まで、レンタルビデオ店に数多く並び、日本のテレビで一日何番組も放映されている。もはや一時のブームではなく、いつでも手にとって見れ、触れることが出来る存在になった。韓流は新段階に入ったといえるだろう。

 最近では、韓国ドラマの制作に日本資本が加わるケースも見られる。『IRIS』がその典型で、日本ロケを行うことも当初から決まっていた。秋田にはドラマの成功もあって韓国人観光客が殺到し、経済活性化に貢献した。それを見た日本の各自治体が、ロケ地誘致に次々と名乗りをあげている。

 一方の韓国では、「日流」が続いている。村上春樹の小説「1Q84」が100万部突破のベストセラーとなるなど日本の小説、そしてアニメ、Jポップが人気だ。日本の名作映画も各地で特集上映されている。

 98年に韓国の日本大衆文化開放により、韓日文化交流が始まってから12年で、ここまで進んだ。堰を切ったような文化交流の熱気は世代を越えるもので、最近の女性Kポップの人気は、それを雄弁に物語っている。両国の文化的、精神的価値観が似ていることが改めて証明されたといえよう。

 韓日共通のスターが登場する日も近いと思う。韓日が一対となってアジアの文化を先導してほしい。(L)