ここから本文です

2011/02/25

<鳳仙花>◆韓国プロ野球新たな飛躍を◆

 韓国プロ野球が新たな飛躍の時代を迎えようとしている。年内に2つの新球団が誕生し、2014年には10球団2リーグ制に移行する見込みだ。最近の野球人気が背景にある。どこまで発展するだろうか。

 韓国に野球が伝わったのは1905年といわれる。その白球の魅力に取り付かれて各学校にチームが誕生した。戦時下の早慶戦には韓国出身の金永祚(キム・ヨンジョ)選手も出場し活躍した。

 金選手はその後、韓国実業団チームの発展に尽力し野球発展の礎を築いたのは、韓国では有名な話である。

 60年代前半には、京都出身の在日2世、金星根(キム・ソングン)選手(現SK監督)が韓国実業団チーム入りし活躍している。

 韓国野球は長い間実業団チームが主体だったが、プロ野球へ移行しようとの声が高まり、スポンサー企業探しに難航したものの、82年に6球団で韓国プロ野球がスタートした。しかしレベルに問題があったため、翌年、多くの在日選手がスカウトされ日本で培った技術を伝授していった。韓国野球発展の陰には、日本で野球を学んだ彼らの貢献もあったのである。

 その韓国プロ野球は90年代に観客減少が続き、存亡の危機が伝えられたが、各球団の地道な努力が功を奏して、昨年は球界新記録となる592万8000人の観客動員を記録するまでになった。新たに参入予定の2球団は、それぞれ地方都市に本拠地を構える。郷土意識の強い地方のファン掘り起こしに注力していくことだろう。

 プロ野球創立当初、反対意見が少なくなかった。韓国の実力では日米の相手ではなく、自尊心も傷つけられるからだ。この30年間で着実に力を付けてきたが、韓国で「野神」(野球の神様)と呼ばれるまでになった金星根監督は、「まだまだ意識もレベルも物足りない」と球界全体の奮起を促している。より一層底辺を広げ、野球先進国を目指してほしい。(L)