ここから本文です

2011/03/11

<鳳仙花>◆韓日対決で女子ゴルフ人気を◆

 「韓国勢をストップさせたい」――。日本女子ゴルフツアーの開幕前、日本選手たちの合言葉だった。しかし、開幕戦は韓国の朴仁妃(パク・インビ)選手が逆転優勝。昨季の安宣柱(アン・ソンジュ)選手に続き、韓国勢に敗れたことで、日本のゴルフ関係者は心配を募らせているようだ。

 昨年は韓国勢が34試合中15勝、賞金女王にも安選手が輝き、「韓流」がゴルフにも及んだと話題になったが、一方で年間入場者数は約54万人で前年比5万6947人減少、テレビ視聴率も下降気味だ。今年の賞金総額も28億6500万円と昨年より微減し、不況に加え、日本選手の低迷が影響したと言われている。

 先日、ツアー出場資格の規定を変更して海外選手の出場優遇措置を廃止したのも、米ツアーに在籍する韓国の強豪が優遇措置で日本ツアーに出場するのを減らすのが目的の一つだったともいわれた。

 そんな韓国勢阻止の声が高まる中で、日米ツアーを掛け持ち出場する朴仁妃選手の優勝は、改めて韓国勢の強さを示した出来事といえる。

 朴選手は08年の全米女子オープンを、史上最年少の19歳で制した実績を持つ。昨季は日本ツアー14試合で優勝2度、10位以内8度の好成績を収めた。どんな芝にも適応できる技術と安定感、日米の往復を苦にしない精神力と体力を兼ね備えたゴルファーだ。

 韓国ではゴルフの才能を見込んだ男女約70人を強化選手に指定し、国を挙げて育成を行ってきた。その競争の激しさは世界的にも例がないという。その猛練習を乗り越えて世界に飛び出した選手たち――朴仁妃、申智愛(シン・ジエ)、崔羅蓮(チェ・ナヨン)、安宣柱の各選手が一斉に花開いている。ゴルフ界の韓国勢台頭は当分続くだろう。

 押され気味の日本人選手だが、韓国人選手と切磋琢磨することで、日本ツアー全体のレベルアップにつなげてほしい。韓日対決でツアーを盛り上げることが出来れば、入場者や視聴率の減少に悩むどころか、逆に人気アップにつながるのではないか。(L)