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2012/02/17

<鳳仙花>◆韓国文化産業の発展戦略◆

 韓国文化産業の勢いが増している。映画、テレビドラマ、音楽CDなど文化・娯楽サービス部門の輸出額が昨年、過去最高の7億9400万㌦を記録した。いわゆる韓流効果であり、日本やアジアだけでなく世界に広まると同時に、韓国への観光客も急増し、ファッション、美容のような関連産業にまで波及している。世界市場では韓国製品を身近に感じさせる効果も大きく、韓流効果は数字に表れる金額よりもさらに大きくなりそうだ。

 今日の韓流ブームは、輸出産業として育成したことが背景にあるといわれる。政府が1997年の通貨危機を契機にデザイン新興院、コンテンツ新興院を相次いで設立。国家的に文化産業の育成に取り組んだ。それに応える映画やドラマが生まれ、音楽分野で若者にK-POP旋風を巻き起こした。また、日本の大衆文化を開放、それに触れた世代が今日の文化隆盛の一翼を担っていることも無視できない。決定的なのは、日本で「冬のソナタ」ブームが起こり、韓国人スターが憧れの対象になったことだろう。

 韓流の魅力は何だろうか。例えばテレビドラマ。日本のレンタルショップに行けば、韓流コーナーに最も広いスペースがさかれており、数百本のDVDが並んでいるが、韓国ドラマには一つの特徴があるように思える。それは、人物像の描き方だ。敵も味方も陰影豊かで、言葉のやり取りに含蓄がある。「魔王」というサスペンスでは、ダンテの神曲の地獄の門が語られているが、話に深みが感じられた。

 いま話題にしているのは、大衆文化領域の韓流であるが、韓国文化の奥行きは広く深い。韓流を入り口に韓国文化の多様な価値を伝えることも大切だろう。文化を伝えることは価値の伝達でもある。文化大国のフランスは昨年、文化外交の中心機関として「フランス院」を設立したが、韓国も参考にしたい。韓国文化は、産業として自動車やエレクトロニクスと並ぶ韓国経済の柱となることも期待できる。文化産業を韓国の競争力の源泉となるようさらなる発展を期待したい。(S)