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2012/04/13

<鳳仙花>◆「休眠預金」韓国の活用法◆

 日本で「休眠預金」の活用が論議の的になっている。やや耳慣れない言葉だが、銀行などで長期にわたりお金の出し入れがない口座の預金のことをいい、年間850億円もの休眠預金が生じている。政府は東日本大震災の復興などに活用する案を検討しているという。だが、銀行業界などからは「預金は預金者のもの」と反発する声もあり、実現のハードルは高そうだ。実は、韓国はすでにこの休眠預金を実際に活用し、成果もあげており、韓国の経験も参考にすべきだという声も出ている。

 韓国では、2008年3月に「休眠預金で庶民を助けよう」をスローガンに、休眠預金を一元管理する休眠預金管理財団を設立。信用不良のため正規の金融サービスを受けられない700万人の人々に少額無担保の低利融資を行っている。低所得者層への融資だけでなく、福祉団体への融資や小規模事業者への融資などにも活用されている。また、給付ではなく、貸し付けなので休眠預金の有効活用になるわけだ。

 元預金者からの返金要求という問題があるが、これに対応するため、総合休眠預金照会窓口を導入した。元預金者が自分の休眠預金を照会でき、返金にも応じるというもので、元預金者とのトラブルを解消しているという。

 財団が始まって4年。現在1兆3985億ウォンの基金を運用し、軌道に乗っている。企業からの寄付金も寄せられており、これらが原資として財団を支えている。バングラデシュで貧者だけが借りられるグラミン銀行を創設し、700万人以上を貧困から救い出した同行とその創設者ムハマド・ユヌス総裁に06年のノーベル平和賞が授与された。この財団が「貧者のための銀行」のような役割を強化する方向に発展してほしい。

 「微笑金融」とも呼ばれる韓国の「休眠預金」活用法。恵まれない人々に少しでも有効に活用されていることが実証されている。日本では10年以上出し入れのない休眠預金は銀行の利益に組み込まれてしまう。韓国の経験を参考に積極的に活用策を講じてみてはどうだろうか。(S)