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2012/08/31

<鳳仙花>◆無敵の韓国女子ゴルフ◆

 ゴルフの世界で韓国の勢いが止まらない。新聞をみれば、今週月曜日の朝刊に日本で行われた2つの試合で男女とも韓国人選手が優勝したとの見出しが躍っていたが、その日の夕刊にはカナダオープンで、ニュージーランド在住の15歳のリディア・コ(高ボギョン)選手が米女子ツアー史上最年少で優勝したと大きなニュースになっていた。16歳の”天才少女”金孝周選手が日本ツアー初出場で優勝したばかりだが、韓国女子ゴルフ界は高校生たちも世界を制覇するかのような勢いだ。

 金孝周選手もリディア・コ選手も共にアマチュア。メジャー大会でプロを押しのけ優勝した将来有望な新星だ。2人とも5、6歳の小さい頃からゴルフを始めた。コ選手はゴルフのため外国に移住までした。女子の世界ランキングをみると、ベスト100に韓国人選手は常時30人以上がランクされ、国別で他を圧倒しているが、このように後進も確実に育っている。

 韓国女子ゴルフを無敵にするきっかけをつくった朴セリ選手の存在がやはり大きい。米メジャー2大会を制覇した彼女は「世界のどんな場所、どんなコースでも通用するゴルフを身につけることが、最終的な目標。そのためにいろんなことに取り組んでいる」と述べているが、その精神は後進にも確実に伝わっているのだろう。

 韓国女子ツアーは発足からまだ24年しか経っていない。短期間で世界一のゴルフ大国になったのは驚愕だ。中学時代から1日8時間クラブを握り、帰宅後もフィジカルトレーニングに励み才能が開花した金孝周選手が端的に示す練習量の凄さ。ここぞという時の勝負強さの元になったメンタルの鍛え方。さらに厳しい国家代表選抜システム。この3つの取り組みで韓国は大きく飛躍した。

 世界の女子ゴルフツアーは韓国選手が席巻しているが、日米選手らも奮起し、ゴルフのレベルアップにつながる期待もある。リオデジャネイロ五輪ではゴルフが正式競技に採用される。ゴルフ黄金時代を築くべく、さらなる精進を願いたい。(S)