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2012/09/28

<鳳仙花>◆北極開発に乗り出す韓国◆

 北極が脚光を浴びている。1909年に米国のロバート・ピアリーが歩いて北極点に足を踏み入れるまでは前人未踏の地だった。永久凍土と氷海だけの北極は接近が難しく、科学研究や探険目的以外に注目を浴びることはなかった。

 しかし、地球温暖化で氷が溶けだし、北極はついに開発の時代を迎えようとしている。そんな北極開発に韓国が名乗りをあげた。新たな挑戦である。

 韓国と北極の関わりは、韓国遠征隊が1991年に世界で11番目に北極点に足を踏み入れたのが最初だ。10年前には北極海のノルウェー領スバルバル諸島のスピッツベルゲン島に茶山科学基地を設け、環境・生物多様性の保護などの研究活動を行なっている。韓国海洋大学が北極海航路研究センターを設立し、砕氷研究船「アラオン」で探査航海も行なった。

 北極に一番近い陸地は、韓国の10倍の面積があるグリーンランドだ。李明博大統領は最近、そのグリーンランドとノルウェー訪問し、北極海航路開拓と資源開発に関する覚書を結んだ。韓国の北極進出に向けた布石となるものだが、北極開発の意義は大きく2つあげることができる。

 まず豊富な資源。北極海や周辺陸地を含む北極圏は、地球表面の約6%に相当する2100万平方㌔の広大な面積を誇る。ここに原油の埋蔵量が世界の13%、天然ガスは30%に上ると推定されている。中国の40倍のレアアースのほか、金やダイヤモンド、プラチナなども大量に埋蔵されているとみられている。この地域への進出に成功すれば、資源に乏しい韓国にとって「新天地」となり得るわけだ。

 もう一つは北極海航路。北極海航路ができれば、釜山からロッテルダムまでの距離は37%縮まり、航行日数も30日から20日に短縮され、経済的な効果は非常に高い。李大統領は「未来の韓国が新たに切り開くコリアルート」と強調したが、距離、時間を大幅に短縮し、世界物流革命を予告するものだ。新たなフロンティアとして北極海発に取り組んでほしい。(S)