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2013/05/10

<鳳仙花>◆低成長時代に入った韓国経済◆

 この数年、韓国の経済成長率が低下している。今年の政府見通しも2・3%に下方修正された。朴槿惠大統領は「漢江の奇跡」の再現を訴えているが、果たしてかつてのような高度成長は可能なのだろうか。成長活力を取り戻すためには、厳しい経済環境のせいだけではなく、克服すべき構造的な問題もありそうだ。

 潜在成長率という概念がある。これは、生産活動に必要な工場や設備などの「資本」、労働力人口と労働時間から求められる「労働力」、技術進歩によって伸びる「生産性」の3つの伸び率の合算値だ。現実の成長率は様々な要因により変動するが、中長期的には潜在成長率と同様の動きになるといわれている。つまり、潜在成長率が低いと成長も見込めないことになる。

 この潜在成長率に危険信号が点っているのである。OECD(経済協力開発機構)によると、2001~07年に平均4・4%あった韓国の潜在成長率は、昨年に3・4%に低下した。さらに31年には1・0%にまで下がるという。これは加盟34カ国の中で、都市国家のルクセンブルクを除き最も低いというショッキングな予測だ。OECDは、その大きな要因として少子高齢化による生産可能人口減少を挙げている。生産可能人口が減少すれば、労働人口がその分減り、経済が萎縮するからだ。

 「経済が成熟するにつれて成長率は下がっていく」といわれるが、1人当たり国民所得が2万㌦台の韓国はまだその段階に至っていない。韓国経済は成長率が1%落ちれば、雇用が7万人減り、税収が2兆ウォン減少するなど経済全般への影響が大きいだけに、まだまだ成長しなければならない。

 少子高齢化のもとで、潜在成長率を引き上げるには何よりも生産性を高めるほかない。そのためには科学技術の革新が必須だ。また、未来の成長の原動力になる新しい成長産業や国内需要喚起のためサービス産業を育成することも重要だ。経済の効率化と社会的な資本拡充も欠かせない。根本的な対策を講じるべきだろう。(S)