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2013/07/19

<鳳仙花>◆少子高齢化のシンクタンクを◆

 韓国で世界が経験したことがないようなスピードで少子高齢化が進んでおり、将来への不安をかきたてている。出生率低下と高齢化で生産可能人口(14~64歳)が減少し、今後何が起こるか予測もつかない。対策が急がれる大きなテーマだ。

 どのぐらいの速度で高齢化が進んでいるかといえば、2010年の人口住宅センサスで65歳以上の人口が545万人に達し、高齢化率は11%だった。5年前の7・2%を大幅に上回る。世界最速のスピードだ。26年には20%を超え、超高齢社会に進入すると予想されている。一方で少子化も深刻で、合計特殊出生率は10年に1・23人にとどまり、OECD(経済協力開発機構)加盟国で最下位を記録した。少子高齢化が深刻な日本の1・39人より低かった。

 尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)・元企画財政部長官は最近、「このままいけば韓国の生産可能人口と老人人口の比率は2対1ないし1対1にまでいく」と低出産・高齢化問題の深刻性を警告した。解決策として「韓国がもつ唯一の資源は人的資源だ。韓国の超高速経済成長は文字を解読し、機械のマニュアルを理解する若い労働力があったために可能だった」とし、「過去にKDI(韓国開発研究院)を設立し、経済発展を促進したように世界的に著名な人口問題学者を招請し専門家グループを作り、移民と低出産・高齢化問題の解決策を講じなければならない」と強調した。重要な提言だと思う。

 「人口爆発」という言葉があるように、世界人口は70億人にまで増え続けているが、先進国では多くの国が少子高齢化社会に突入している。医療技術の向上などで、今後世界中のあらゆる国は成熟すれば少子高齢化社会を必ず迎えると予想されている。東アジアでも韓国、日本だけでなく中国、台湾、シンガポールなども少子高齢化が始まっている。問題は、少子高齢化社会は人類がこれまで経験したことのない未知の世界であり、解決すべき手本がないことだ。専門のシンクタンクを作り、英知を集め、問題解決のモデル作りに挑戦してほしい。(S)