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2014/04/18

<鳳仙花>◆コメ市場開放―韓国の対応◆

 人類にとって重要な穀物はコメ、小麦、トウモロコシの3種だが、韓国にとって最も重要なのは主食のコメである。現在、穀物自給率は30%を割ったが、コメに限ってはほぼ100%自給している。だが、そのコメ市場開放が迫られている。李桐弼(イ・ドンピル)・農林畜産食品部長官は「コメ市場の開放可否を9月までにWTO(世界貿易機関)に通知しなければならない」と明らかにした。WTOから認められた開放猶予期間が今年末で切れるからだ。果たして、どう対応すべきなのだろうか。

 WTO加盟国の中で、コメ市場を開放していないのは韓国とフィリピンだけだ。韓国は多国間交渉の結果、1995年から04年までコメ市場開放を先送りできた。さらに、その後の交渉で05年から14年までの10年間、開放を猶予された。だが、その代償として5%の低関税で一定量の輸入を義務付けられた。これをMA(ミニマム・アクセス)といい、これによって輸入された外米をMA米と呼んでいる。

 その輸入義務量が年々増加し、00年の22万5000㌧から今年は国内消費量の7・6%に当たる40万㌧を超える見通しだ。来年以降も引き続き開放を猶予してもらう場合、このMA米の輸入数量引き上げは避けられない。すでに国内ではコメの供給過剰を引き起こし、在庫の倉庫保管費用もかさんでいる。このように開放猶予の副作用も大きく、政府は関税化による市場開放を検討している。

 問題は関税率だが、政府は300%以上が適用されれば、価格競争力でも輸入米に負けないとみている。市場を開放した日本や台湾も高関税で輸入米を抑制している。しかし、農業団体は関税化を反対している。さらに一人当たり消費量が79年の136㌔から昨年には69・8㌔とほぼ半減しており、問題は深刻だ。

 だが、WTOは「例外なき関税化」を原則にしており、市場開放は避けられない。韓国農業の競争力を高めるための妙案はないが、70年代に農村を近代化した「セマウル運動」のような精神で地道に取り組むことで活路が開けるのではないだろうか。(S)