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2014/10/31

<鳳仙花>◆第5世代移動通信時代と韓国◆

 スマートフォン(高機能携帯電話)が必需品化しているが、2020年が目標とされている第5世代(5G)の移動通信時代が到来すれば、その利用価値はこれまで以上に大きくなりそうだ。通信速度が現在より1000倍速くなり、データ速度の限界で実用化できなかった様々なことが実現可能になるからだ。韓国は、釜山で始まったITU(国際電気通信連合)全権委員会議でも最新技術をアピールするなど5G時代に向けて役割を強めている。

 5G最大の特徴は、従来にない超高速大容量の移動通信を可能にし、これをベースにあらゆるモノがインターネットにつながる「ネットワーク社会」の実現にある。これにより、私たちの生活にも大きな変化が予想され、例えばこんなシュミレーションも現実味を帯びてくる。

 2020年X日。ある会社員は、目覚めるやいなやスマートフォンをつかみ取る。ベッドに横になったままスマートフォンを何度かタッチすると、すぐにトースターとコーヒーマシンが作動して朝食を準備する。歯磨きをしながら鏡を見ると今日の天気が表示される。外の温度はマイナス8度。スマートフォンで自動車内のヒーターをつけて出勤準備をする。会社に到着すると英国ロンドンにある社員と3次元(3D)立体映像(ホログラム)で会議を進める 。

 このような5G時代を先取りすべく、世界のIT(情報技術)企業が技術開発にしのぎを削っており、韓国は20年までに5G技術を実用化する「未来移動通信産業発展戦略」をまとめ、1兆6000億ウォンを投じて、関連技術の開発や国際標準化対応などに取り組んでいる。すでにサムスン電子は世界で初めて5G技術を活用し、時速60㌔㍍で走る車から秒単位の速度で超高画質映像の転送に成功し、KTは現在の光ファイバー網より10倍速い10ギガインターネットサービスを公開した。

 5Gは、ホログラムなど多様な産業を活性化させる役割も期待され、平昌(ピョンチャン)冬季五輪ではホログラムを映し出す遠距離通信サービスも計画されている。日本も東京五輪までに5Gを実用化するのが目標だ。5G時代を控え、標準化作業など韓日間の協力も必要だろう。(S)