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2014/11/14

<鳳仙花>◆韓国でふたりの日本人の発言に注目◆

 青色LED(発光ダイオード)でノーベル賞を受賞した中村修二氏とノーベル賞の有力候補にも挙がった作家の村上春樹氏。このふたりの最近の発言が韓国で注目されている。韓国の学生への叱咤と日本の「責任回避志向」への批判だ。中村氏は、韓国のソウル半導体で行われた記者会見で次のように述べた。

 「米国では賢い学生ほどベンチャー企業に入社したがる。しかし韓国と日本は賢い学生がサムスンやソニーのような大企業にばかり行こうとする。ノーベル賞を受賞するにはクレイジーな研究をしなければならないが、大企業では研究者がサラリーマンのようになる。研究の自由なしには創意的な研究はできない。日本だけでも19人の科学分野のノーベル賞受賞者の中で大学を除くとみんな小さな企業の出身だ。韓国がノーベル賞受賞者を出すには、賢い学生が小さな企業に入るべきだ」

 これに対して、韓国の若い世代からは「心から恥ずかしいと思う。中村さんの言葉で韓国社会が変わるきっかけになってほしい」という反応もあった。

 一方の村上氏は毎日新聞のインタビューで次のように述べている。

 「僕は日本の抱える問題に、共通して『自己責任の回避』があると感じます。45年の終戦に関しても2011年の福島原発事故に関しても、誰も本当には責任をとっていない。そういう気がするんです。例えば、終戦後は結局、誰も悪くないということになってしまった。悪かったのは軍閥で、天皇もいいように利用され、国民もみんなだまされて、ひどい目に遭ったと。犠牲者に、被害者になってしまっています。それでは中国の人も、韓国・朝鮮の人も怒りますよね。日本人には自分たちが加害者でもあっという発想が基本的に希薄だし、その傾向はますます強くなっているように思います」

 韓国のオピニオンリーダーの一人は「世界的に厚い読者層を持つ村上氏が、自国民に向かって苦言を呈したという点は喜ばしい」と指摘した。

 来年は戦後70周年で韓日国交正常化50周年。もう過去に回帰すべき時代ではない。韓日間には依然と問題は山積みだが、お互いが切磋琢磨して発展することこそが重要なことで、中村氏や村上の指摘は大変参考になる。お互いに耳を傾け合い、より良き未来へ前進できるように真摯に胸襟を開く時だと思う。(S)