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2021/09/03

<鳳仙花>◆韓国の障害者問題の現状◆

 パラリンピック東京大会のテーマは「我々には翼がある」で、片翼でも無限の可能性があることを訴えた。肢体や視覚など様々な障害を乗り越えて懸命に競い合う姿に多くの人が感動し、障害者問題を改めて考える機会にもなっただろう。現在、世界に障害者は10億人を超えるとされる。世界人口の15%だ。想像以上に多いが、韓国の現状はどうなっているだろうか。

 統計庁が発表した「統計でみる障害者の生活」によると、韓国の障害者数は2018年基準で251万7000人にのぼる。全人口の5・0%だが、高齢者比率が高く、58・3%が60代以上だった。事故や病気など後天的要因で障害者となる人が少なくないからだ。また、障害の中で最も多いのは四肢障害で、全体の48・1%を占める。次いで聴覚障害(13・2%)、視覚障害(9・8%)、脳機能障害(9・8%)の順だった。精神疾患などを含めると実際の障害者はもっと多くなる。

 障害者の多くが生活困窮者で、国民基礎生活保障(生活保護)を受けている障害者世帯は21万1010世帯にのぼり、全体の18・1%を占めた。その一方で選挙への関心は高く、障害者の選挙参加率が84%に達したのは興味深い点だ。

 世界的に障害者の社会的環境は、国連総会が1981年を「国際障害者年」と宣言したのを契機に改善へ向け大きく前進した。韓国もこの宣言を受け、同年に心身障碍者福祉法(89年に「障碍人福祉法」に改正)が制定され、分散されていた障害者福祉政策が一本化され、支援が強化された。


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