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2010/12/28

<Korea Watch>2011年・飛躍を誓う在日コリアン

  • 2011年・飛躍を誓う在日コリアン①

    アラン・ケイ 滋賀県出身。91年宝塚歌劇団入団。『ベルサイユのばら』で初舞台を踏む。2003年『王家に捧ぐ歌』の演技で松尾芸能賞受賞。06年星組トップスター。09年4月宝塚歌劇団を退団。同年9月『The Musical AIDA』で女優として再スタートを切る。

  • 2011年・飛躍を誓う在日コリアン②

    ハクエイ・キム 1975年京都生まれ。札幌育ち。高校時代にバンドを始める。シドニー大学音楽院に進学しジャズを学ぶ。今年1月、ユニバーサルミュージックの新レーベル「アレア・アズーラ」の第1弾アーティストとしてメジャーデビュー。

  • Nine Muses(ナイン ミュージス)

    スタイリッシュでセクシーなNine Muses

  • ZE:A(ゼア)

    ボーイズグループの大本命ZE:A

  • Monday Kiz(マンデー キッズ)

    3人組で再出発したMonday Kiz

◆女優 安蘭けいさん◆

 昨年10月2日、東京・六本木ヒルズアリーナで開かれた「日韓交流おまつり2010」。約3万人の市民が参加し、韓日友好と文化交流への思いをはせた同イベントで、オープニングに登場したのが、在日3世の女優、安蘭けいさんだ。

 韓国ドラマ『冬のソナタ』の挿入歌のほか、安蘭さんが主役を演じて、1月20日から東京と大阪で1カ月にわたって上演されるミュージカル『エディットピアフ』の主題曲3曲を堂々と歌い上げ、会場から大きな拍手を浴びた。

 エディット・ピアフはフランスを代表するシャンソン歌手。極貧家庭に生まれ、苦労してスターダムをのしあがった。一方で酒と薬におぼれた。しかし、逆境を跳ね返して誇り高く生き抜き、レジスタンス運動にも貢献した伝説の人物である。

 「いつかエディット・ピアフを演じるのが夢だったので、そのチャンスが来たことは本当にうれしい。舞台では15曲程度歌う予定だが、どれも魂を込めないと歌えない曲なので、これまでになく緊張している。壮絶な人生を生きたピアフと比べることは出来ないが、私自身も挫折を乗り越えてここまできたので、その経験を歌に反映させたい。演出も工夫をこらしているので、多くの人に楽しんでほしい」

 安蘭さんは滋賀県出身。小学生の時、父に連れられて宝塚歌劇を観て、とりこになった。「私もいつかあの舞台に立ちたい」と、宝塚音楽学校を受験。しかし3度受験に失敗し、4回目で念願の合格を果たした。89年宝塚音楽学校に入学した。

 「厳しいレッスンの毎日だったが、それでも合格できず、あせることもあったが、決してあきらめなかった」

 入学後は歌、芝居、踊りとも頭角を現し首席で卒業。91年宝塚歌劇団に入団し、月組『ベルサイユのばら』で初舞台を踏んだ。

 芸名の安蘭けいは、韓国に伝わる「アリラン伝説」(魂と肉体が引き離された美女アランの悲劇)の主人公アランからとった。本名の安と花の蘭、そしてルーツの地、慶昌南道の慶をひらがなにしてつけた。

 男役、女役どちらもこなし、2000年に星組に移ってからは2番手として活躍。2003年にはオペラ『アイーダ』の宝塚版『王家に捧ぐ歌』でヒロインのアイーダを演じ、第25回松尾芸能賞新人賞を受賞した。

 そして06年、念願の星組トップスターに就いた。 

 「入団後は順調に昇進したと思われるかもしれないが、後輩に先を越されて悔しい思いをした時期もあった。でも必ずトップになると誓い、日々の舞台に励んだ」

 トップになった瞬間から退団の時期を考えるのが、宝塚スターの宿命ともいわれる。08年フランス革命を舞台にした『スカーレット・ピンパーネル』に主演して歌唱力と演技が絶賛され、同作品は第34回菊田一夫演劇賞演劇大賞、「月刊ミュージカル」のベストミュージカル、女優部門1位などを獲得した。それを機に引退を決意、09年4月に退団。以後、ホリプロに所属し、女優の道を歩み始める。

 「様々なジャンルの舞台に挑んでいるので、宝塚時代とはまた違う、新鮮で刺激的な日々を過ごしている。宝塚時代はすぐにファンに囲まれるので、電車に乗って出かけることも出来なかったが、いまは一人で電車に乗るし、ショッピングにも行く。とても楽しいひと時になっている」

 日韓交流おまつり出演時、ルーツがコリアであることを明らかにした。

 「在日コリアンであることを看板にはしたくないが、隠すこともしたくない。在日に生まれたことは一つの個性であり、常に自然体で生きたいと考えている。小さい時は嫌な思いをしたり、周りの人と違うことに引け目を感じたこともあったが、いまはルーツを大切にしたいと思っている。人種や民族に関係なく、人間愛で結びつく世界になってほしい」

 「いま韓流がブームだが、韓日合作のミュージカルや演劇にいつか出演してみたい。数年前に、在日の家族をテーマにした演劇『焼肉ドラゴン』を観たが、泣き笑いの中に歴史を考えさせる作品だった。ああいう芝居に出る機会があればと思う。そして韓日の懸け橋的な役割を果たせればと願っている」

 1月の『エディット・ピアフ』の次は、5月に日本人初の国際結婚をした女性を描いた新作ミュージカル『MITSUKO』に出演する。

 「芝居を通して色々な生き方をした女性を演じられることは、とてもうれしいし、やりがいがある。今後もファンの期待に応える演技をしたい」


◇ミュージカル エディット・ピアフ◇

 愛に生き、歌に生きた真実の歌手エディット・ピアフの壮絶な生涯を描く。主演は安蘭けい、相手役は浦井健治、演出は源孝志。

 1月20日~2月13日=東京の天王洲・銀河劇場、2月18~20日=大阪・梅田芸術劇場。℡03・3490・4949。


◆ジャズピアニスト ハクエイ・キムさん◆

 アルバム「トライソニーク」で、19日にメジャーデビューするジャズピアニストのハクエイ・キム。京都生まれ・札幌育ちの在日3世で、その甘いマスクと、激しくロマンチックな演奏が早くも話題を呼んでいる。

 アルバムのタイトル曲は2009年に結成したピアノ・トリオの名前でもある。

 「『トライソニーク』は、3人の音楽論議から生まれた曲。『クアラルンプール』は都市のエネルギーに圧倒されて作った曲。『ホワイトフォレスト』は、木の上に積もった雪が好きで、それをイメージした。9曲中6曲作曲したが、ストーリー性に注目してほしい」

 父が在日韓国人2世、母が在日2世と日本人のハーフだ。5歳のときからピアノを習い、高校生の時にロックバンドを始める。ロックミュージシャンを目指したが、留学先のオーストラリアで同国出身の世界的ジャズピアニスト、マイク・ノックに出会ったことで人生が変わる。

 「マイク・ノックのジャズは本当に衝撃的で魂を揺さぶられた。自分もジャズピアニストになりたいと思い、マイク.ノックは大学教授でもあったので、そこで学ぼうと試験を受け合格した」

 シドニー大学音楽院で4年間、ジャズ・西洋音楽の歴史、そしてマイク.ノックから実技を学んだ。

 「マイクの授業は厳しいがとても充実していた。ジャズのスタイルもそうだが、音楽に対する姿勢、生き方を学ぶことが出来たのが大きかった。オリジナルなジャズをどう構築していくか、その大切さを教わった」

 オーストラリアでバンドを結成し、日本に戻りインディーズレーベルからCDを3枚出した後、トライソニークを結成。昨年夏、日本ジャズ界の大御所、サックス奏者・渡辺貞夫のツアーグループに抜てきされた。

 「渡辺貞夫さんは77歳とは思えないほどパワフルな大スター。マイク・ノックとはまた違う音楽表現を教わった」

 今回のアルバム発売と合わせて3月25日からツアーを開始する。

 「音楽家としてツアーは夢だった。音楽、特にジャズは感性の勝負だし、だからこそ国境を越えて広がってきた。 自分の音楽に対する反応を生で感じることが出来るのはうれしい」

 年内に韓国公演も計画中である。

 「在日コリアンという日本人でも韓国人でもない存在に生まれて、自分は何者なのかと自問する機会が多かった。オーストラリアに留学して、世界には様々な立場のマイノリティーがいることを知り、改めてアイデンティティーについて考えさせられた。在日コリアンに生まれたことは、自然と自分の音楽表現に反映されていると思う。韓国に行くのは初めてなので、何を感じとれるか楽しみだ」

 「ツアーを通して新たな音楽を探したい。在日の立場で日本と韓国の音楽交流にも関わってみたい。韓国のジャズミュージシャンとも交流できればと願っている」


◆女性9人組グループ・Nine Muses(ナイン ミュージス)◆

 平均身長172㌢、4500人の中から選抜されたメンバー9人のほとんどが、スーパーモデル選抜大会で1位となるなど現役モデル出身の新人女性グループ「Nine Muses(ナイン・ミュージス)」。

 2008年のスーパーモデルコンテストで1位を獲得したリーダーのラナを筆頭に、身長173㌢のショーモデルとしても活躍するビニ、リーダーと同じく09年スーパーモデルコンテスト優勝のイ・セム、英語を自在に操るバイリンガルのセラ、乗馬にゴルフに韓国舞踊と何でもこなすイ・ユエリン、水泳はプロ級の腕前を持つ優れた運動神経の持ち主のウンジ、歌唱力抜群のヘミ、グループ最年少で現役女子大生のミナ、期待の新メンバーのヒョナなど、スポーツ万能で健康美が魅力の9人組だ。

 昨年8月に正式デビューを飾った今までになかった新しいタイプのアイドル集団である彼女達は、その美貌とスラリと長い手足、驚くほど綺麗に揃った9頭身を武器に、韓国でさまざまなバラエティー番組や音楽番組に出演、早くも引っ張りだこの人気者となっている。

 昨年末、待望の初来日公演を果たすなど本格的な日本での活動が期待される。


◆男性9人組イケメングループ・ZE:A(ゼア)◆

 昨年の韓流ガールズグループ旋風に続き、今年は韓流ボーイズグループが日本の音楽ファンを魅了する見込みだ。中でも韓日両国で高い人気を得ている9人組ボーイズグループ「ZE:A(ゼア)」がデビュー1周年を迎え、日本での活動を本格化させる。昨年12 月22 日には、彼らがファンの方々に心をこめて贈る初の日本語盤シングル「ラヴ☆レター」をリリース。彼らにとって初挑戦となる日本語曲「ラヴ☆レター」は、プロデューサーにこれまで数々のヒット曲を生み出してきた上野圭市氏を迎え、9人それぞれの歌声が見事なハーモニーを醸し出すハートウォーミングな印象の曲に仕上がっている。

 また、今月8日にはZEPP TOKYOで「ZE:Aデビュー1周年記念ライブ Love letter for you」を開催。デビューから1年を記念して行われる今回のライブは、シングルに収録された楽曲の初披露の場としてはもちろん、ZE:Aにとっても1年の成長の軌跡を振り返り、ファンと共に新年を祝う意義深い公演となりそうだ。

 今年はさらに、初の映画公開も控えるなど、益々活発な活動を見せるZE:A。少年から大人のアーティストへと成長し続ける彼らがどんな姿を見せてくれるのか、目が離せない。


◆男性3人組・Monday Kiz(マンデー キッズ)◆

 オリジナルメンバーのイ・ジンソンにハン・スンヒとイム・ハンビョルを新たに迎え、3人組で再出発した韓国の実力派ヴォーカルブループ「Monday Kiz(マンデーキッズ)」。これまで、オリジナルアルバムはもちろん、「白い巨塔」、「ベートーベンウイルス」、「カインとアベル」など、数々の人気ドラマのサウンド・トラックにも参加。再結成後にリリースした4thアルバム「ルート」は、イ・ジンソンが自ら総合プロデューサーを務め、作詞作曲も手がけた入魂の作品。リードトラックの「行かないで」は、ヒップホップとロックのテイストを加えたミディアムバラードで必聴の一曲。女優のパク・シヨンがナレーションで参加した「女」など全9曲11トラックが収録。

 日本での活動は、2010年4月に開催された「音楽のまち・かわさき アジア交流音楽祭」や、同11月に東京で開催されたドラマ「検事プリンセス」の放送記念イベントに出演。また同じく11月に、初の単独コンサートとファンミーティングを行うなど精力的だ。さらには、日本公式サイトをオープン、今年2月11日には東京グローブ座で記念日本公式サイト記念イベント&ライブを行う。