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2011/12/16

<Korea Watch>本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース

  • 本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース①

    カーク米国通商代表部代表と握手する金宗壎・通商交渉本部長㊨

  • 本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース②

    ソウルの貿易センタータワー前に作られた「貿易1兆㌦達成記念塔」

  • 本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース③

    2018年平昌五輪決定を受け歓喜に包まれる平昌市民

  • 本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース④

    世界中で人気のサムスン「ギャラクシーS2」

  • 本紙が選ぶ2011年韓半島10大ニュース⑤

    被災者への募金活動を行う韓国の若者たち

1.EUに続き米国ともFTA

 韓国は7月にEU(欧州連合)との間でFTA(自由貿易協定)を発効させたのに続き、米国ともFTAを実現させた。

 韓米FTA交渉はEUよりも早い2007年4月に妥結した。だが、米自動車業界の圧力などで双方の批准が大幅に遅れ、昨年末の再交渉妥結でやっと批准へ向けて環境が整った。

 米議会は批准、オバマ大統領が10月21日に署名した。だが、韓国側は野党の反対で与党が強行採決。李明博大統領が11月29日に14の関連法案に署名、国内手続きをすべて終えた。今後、発効へ向けて双方が交渉し、最終的に発効日時を決める。

 韓米FTAが発効すれば、4年内に自動車関税を相互に全廃する。自動車輸出を強める韓国にとって最も大きな効果が期待される。

 だが、農畜産物では韓国への影響が大きい。コメは対象から除外されたが、関税率40%の牛肉は15年かけて全廃、豚肉は16年から撤廃する。研究機関によると、韓米FTAは韓国のGDP(国内総生産)は5・66%押し上げ、今後15年間に35万人の雇用創出効果がある。

 一方、EUとはFTA効果が表れている。発効した7月からの3カ月間の対EU貿易額は253億㌦で前年同期比11・9%増。財政危機で需要が委縮しているEUだけに、まずまず成果だ。特にEU向け自動車輸出は、7~10月で91%増の18億3700万㌦を記録した。EUとのFTAで、韓国は7年以内に、EUは5年以内に相手側から輸入されるすべての工業製品の関税を撤廃することになっており、冷蔵庫やワインなどは即時撤廃された。

2.貿易1兆㌦達成・世界で9番目

 韓国貿易額が今年、12月5日午後3時30分現在の通関ベースで輸出5150億㌦、輸入4850億㌦を記録、初の1兆㌦を達成した。米国、ドイツ、中国、日本、フランス、英国、オランダ、イタリアに次ぐ世界9番目の大記録だ。

 輸出は世界8番目に5000億㌦を突破、世界ランクは今年7位に上昇し、輸入ランクは昨年同様9位の見込み。

 1962年に輸出主導型の経済開発5カ年計画をスタートさせてから半世紀。貿易額は62年の4億7800万㌦に比べ2000倍以上も増えた。当初は慢性的な赤字に苦しんだ貿易収支も黒字に転換、今年の黒字額は340億㌦に達すると予想されている。

 輸出に最も貢献した品目は半導体で、輸出100億㌦を突破した77年年から5000億㌦を突破した11月末までの半導体の累計輸出額は3070億㌦にのぼる。次いで自動車、船舶の順だ。近年では石油製品や携帯電話が急速に輸出を増やしている。

 貿易拡大は国民所得も飛躍的に拡大させた。1人当たりの国民所得は、62年の87㌦か2万3000㌦(今年推定)へと200倍以上増加。韓国を先進国レベルに押し上げた。
 
 今後、2兆㌦の新しい目標に進むために新成長エンジンを発掘することも重要だ。李明博大統領は戦略的な対策を指示したが、今後の展開が注目される。

3.平昌(ピョンチャン)で2018年冬季五輪開催

 IOC(国際オリンピック委員会)は7月6日、南アフリカ・ダーバンで開かれた第123回IOC総会で2018年冬季五輪開催地に韓国の平昌(江原道)を選んだ。

 平昌は1次投票で63票を得票。ミュンヘン(ドイツ)25票、アヌシー(仏)7票を抑え、3度目の挑戦で勝利を得た。

 平昌招致団は今回、「新しい地平」のスローガンを掲げ、平昌開催がアジア地域での冬季スポーツの裾野を広げ、新たな市場開拓につながるとアピールした。この戦略に沿って、雪のない国の子どもを平昌に招待して冬のスポーツに親しむ機会を与える「ドリーム・プログラム」を展開、参加者は900人を超えた。

 競技会場や宿泊施設、交通網などのインフラも高い評価を受けた。最終プレゼンテーションでは、バンクーバー冬季五輪女子フィギュア金メダリストの金妍兒選手らの訴えが、投票者らの心を大きく揺さぶった。

 これで韓国は、88年夏季五輪、02年サッカー・ワールドカップ、今年の世界陸上に次ぐ冬季五輪も開催する5番目の国になった。

 これまでこの記録を持つ国はフランス・ドイツ・イタリア・日本の4カ国だけだ。平昌五輪を契機に冬季スポーツでも韓国は躍進を目指す。

4.サムスン・スマートフォン旋風

 サムスン電子のスマートフォン(高機能携帯電話)販売台数が、第3四半期に2700万台を突破、ノキア、アップルを抜き世界一を記録した。

 米調査会社のストラテジー・アナリティクスの第3四半期メーカー別スマートフォン出荷台数によると、サムスン電子が2780万台で首位に立ち、アップルは1707万台で2位、ノキアが1680万台で3位となった。

 サムスンは同期の全世界の出荷台数1億1700万台の23・8%を占めた。

 スマートフォンは世界的に大流行、同期に前期比44%伸びた。これまでアップルのアイフォーンがスマートフォンの代名詞だったが、今年に入り、サムスン電子がギャラクシーS2の成功で販売を急増させた。競争が激化する中、特許権を巡る両社の訴訟も相次いだ。携帯電話全体でも、サムスン電子の世界シェアは20・9%を占め、首位ノキアの27・3%に迫る勢いだ。

 サムスン電子の第3四半期営業黒字は4兆2000億ウォンだったが、スマートフォンの好調で携帯電話部門の営業利益は初めて2兆ウォンを超え、全体営業利益の半分を占めた。サムスンの屋台骨を支えるまでに成長した。

5.東日本大震災被災者を支援

 3月11日、東日本を襲ったマグニチュード9・0の東日本大震災。「負けるな!頑張れ!」と励ます世界各国からの支援が相次いだ。

 中でも、韓国はいち早く107人(先陣5人含む)からなる緊急救援隊を派遣した。

 韓国マスコミは、大震災を連日大きく報道、被災者救援キャンペーンを展開。

 募金場所には長蛇の列ができ、一般市民、学生、スポーツ界、企業も支援を表明し、対策委員会を作って募金活動などを始めた。また韓流スターが続々義援金を申し出るなど支援の輪が広がっていった。

 東日本大震災被災者への義援金は、大韓赤十字社、社会福祉共同募金会の2大機関に震災発生から1カ月間に集まった募金額だけでも524億ウォンに達した。海外支援募金の歴代最多額を更新した。また、李明博大統領は5月21日、韓日中首脳会議に出席するため日本を訪問した際、宮城県名取市内の津波により壊滅的な被害を受けた地区を訪問。また、福島県の避難所も訪れ、被災者を激励した。

 一方、東日本大震災で日本に派遣された韓国の救助隊員らに、日本の市民有志から感謝の折り鶴が届くなど韓日の絆が深まった。

⑥格差拡大、非正規職600万人

 輸出が増え、大企業の業績は好調だが、所得格差が拡大し、非正規職が急増することで社会的なあつれきが強まった。

 国税庁によると、総合所得税の申告額上位20%の1人当たり所得額は99年の5800万ウォンから09年に9000万ウォンへと55%増加した。だが、下位20%の1人当たり所得額は306万ウォンから199万ウォンへと35%減少。所得格差は20倍から45倍に拡大した。今年はこの傾向がさらに高まったと推定される。

 一方、非正規職が600万人時代を迎えた。統計庁によると、今年8月現在の非正規職は599万5000人で、被雇用者全体の34.2%を占めた。失業率は3%台だが、青年失業率は7%台と高く、若年層の政権批判が強まった。

 政府・与党は、格差是正のため福祉重視に舵を切り、大学授業料の引き下げ、低所得非正規職の社会保険料支援、所得税と法人税の最高税率引き下げ凍結などの政策を打ち出した。

⑦造船世界一奪還、自動車も快走

 韓国の今年上半期の造船受注量は892万CGT(標準貨物船換算トン数)を記録、造船受注量で世界一を奪還した。中国は517万CGTで2位、日本は46万CGTにとどまった。世界シェア(受注量ベース)は韓国が53・2%で半分以上を占めた。中国は30・8%、日本は2・7%に低下した。

 大型コンテナ船、LNG(液化天然ガス)運搬船などの高付加価値船舶の受注好調が後押しした。

 一方、現代・起亜自動車が上半期(1~6月)に過去最高の販売実績を記録するなど、世界各地で韓国車の快走が続いた。

 現代自動車と起亜自動車は今年の売り上げ台数目標の400万台と250万台をクリアする見通しとなっている。

⑧韓日首脳がスワップ拡大合意

 李明博大統領は10月19日、野田佳彦首相と会談し、韓日の通貨交換(スワップ)協定の枠を現行の130億㌦から5倍以上の700億㌦に拡大することで合意した。

 今回の合意に基づき、韓国銀行と日本銀行の融通枠が拡大されたほか、新たに韓銀と日本財務省の間で300億㌦の融通枠が創設された。協定の期限は締結日から原則1年。両国は2008年12月にスワップの規模を200億㌦に拡大したが、昨年4月に拡大分が満期を迎え、130億㌦となっていた。日本との枠を拡大したのは、欧州の財政危機で韓国から資本の流出が激しくなっていることが背景にある。韓国の外貨準備高が3034億㌦あり、政府当局は心配ないとみているが、通貨危機などの経験から、「心理的な安全網」をつくり、ウォン相場の安定につなげる狙いもある。

⑨日仏から朝鮮王室図書返還

 植民地時代に日本に持ち出された「朝鮮王室儀軌」など韓半島由来の書物147種・1200冊が約100年ぶりに祖国の地に戻った。菅直人前首相が昨年8月、韓日併合100年を迎え発表した談話で返還の方針を示し、手続きを進めてきた。10月に訪韓した野田佳彦首相は、5冊を持参し、韓日首脳会談の席上で返還した。そして12月、残りが返還された。

 一方、フランスからは朝鮮王朝の「外奎章閣図書」が返還。外奎章閣は朝鮮時代に王室関連の文書・図書を保管していた図書館。1866年に江華島を侵略したフランス艦隊が蔵書297冊を持ち去った。昨年11月に李明博大統領とサルコジ大統領が5年単位の貸与更新の形で返還することで合意。5月末に返還作業が終了した。

⑩K-POPブーム欧州にも

 東方神起、少女時代など、K―POPグループによる初のフランス・パリ公演が6月に行われ、欧州各地から10代から20代の女性ファンなど約1万4000人が集まった。ファンはフランスのみならず、イタリア、スペインなどからも訪れた。

 彼女らは韓国語のプラカードを掲げ、韓国語で歌い、公演終了後は韓国語で「サランヘヨ(愛してる)」を連呼した。

 欧州では最近、ユーチューブやフェイスブック、ツイッターなどのインターネット上でK-POPが急拡大している。韓国語の歌詞、振付やファッションを学ぶ女性達も増えている。パリ公演のチケットも発売から10数分で売り切れ、急きょ追加公演を決定したほどだった。