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2013/11/08

<Korea Watch>金融危機5年経過後、韓国企業の現状を調査

◆サムスン経済研・通貨危機後とは対照的◆

 2008年の世界的な金融危機から5年後、国内企業の実績は急速に悪化していた。1997年の通貨危機から5年後の状況と比較した結果、このように明らかになった。サムスン経済研究所は「危機後5年の企業経営の現住所」と題した報告書で、「国内企業の経営実績は2011年から引き続き悪化している。通貨危機後の5年間に堅実な実績を上げたのとは、対照的だ」と分析した。

 これまで韓国企業は危機に強いと評価されてきた。通貨危機から5年経った02年には、企業の収益性を表す営業利益率が7・2%(上場734社基準)で、97年の6・3%を上回った。サムスン経済研究所は「通貨危機の衝撃は非常に大きかったが、回復のスピードは速かった。政府と企業の強い対応により、危機を克服した」と説明している。

 一方、金融危機後は違った様相だ。2010年の営業利益率は7・4%で、危機直前の07年(7・1%)水準を取り戻すかのように見えた。しかし、以後2年連続で下落し、昨年は08年(5・6%)より低い5・2%となった。

 もちろん、金融不安に置かれたインドなどの新興国に比べれば良好な方とされる。だが米国や日本と比べると、後退の速さが懸念される。同研究所は「国内企業は通貨危機の経験と収益中心の経営を基にし、回復傾向をみせた。だが、すぐに力が尽きたようだ。昨年の営業利益率(5・2%)が日本企業(5・8%)に逆転されたのは、危険信号だ」と説明した。このような現象は、しばらく続いた為替効果の消失も要因だ。ウォン・ドル為替は、08年1月から1年ぶりに45%急騰。海外実績をウォンに換算すると、それだけ実績は上がった。為替効果を除く場合、09年の韓国企業は4%マイナス成長となる。


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