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2014/02/14

<Korea Watch>韓国の労使問題を聞く㊤                                                          駿河台大学 朴 昌明 准教授

  • 駿河台大学 朴 昌明 准教授

    パク・チャンミョン 1972年姫路市生まれ。関西学院大学商学部卒。関西学院大学大学院商学研究科博士課程前期課程修了。延世大学大学院経済学科博士課程修了。現在、駿河台大学法学部准教授。専攻分野は社会政策・労働経済論・労務管理論。主な著作に「韓国の企業社会と労使関係」など。

◆労働争議発生件数は減少も長期化の傾向◆

――昨年の現代自動車の労使紛争、年末の鉄道公社のストなど韓国では労使紛争が頻発している。現在の労使関係の最大の問題点は何か。

 李明博政権から遡ってみると、世界金融危機の影響と政府の組合に対する非妥協的な政策を背景に、2008年から11年にかけて労働争議が減少するなど労使対立が比較的沈静化していた時期ではあった。一方12年からは、その傾向が反転するようなかたちで労使紛争が増加し、特に非正規労働者や解雇者などの問題による労使紛糾が深刻化した。

 では、朴槿惠政権に入ってからはどうか。ストライキで有名な現代自動車の場合、実は09年から11年にかけてストを凍結していたが、12年から再開している。同社における労働争議の主要争点は、12年が交代勤務編成の変更を伴う労働時間短縮であったのに対し、13年は賃上げや賞与額が争点となった。ただし、現代自動車で賃上げ目的のストが行われたのは、要求に見合った経営実績を計上できたためである。国内景気の停滞が長期化し、雇用不安が慢性化しつつある韓国においては、賃上げを主要争点とする労働争議は減少傾向にある。

 また、昨年末に韓国鉄道公社労組による労働争議が大きなニュースとなったが、その背景としては鉄道公社が民営化されるのではないかという労働組合の警戒心が挙げられる。日本の場合、国鉄分割民営化の際に、新会社の設立に伴って大幅なリストラが実行され、組合も弱体化した。韓国の鉄道労組は、民営化に伴う鉄道組合員の大幅な雇用削減と組合の弱体化に対する危機感を強く持っているであろう。


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