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2016/08/05

<Korea Watch>ASEANが新たな生産拠点に

◆現代経済研が報告書、アジア分業構造の変化を分析◆

 現代経済研究院は報告書「アジア分業構造の変化と示唆点」を発表し、ASEAN(東南アジア諸国連合)が中国に代わるグローバル生産基地として浮上していると分析した。2000年以降、ASEAN経済の急速な成長が持続し、世界経済の中でASEAN経済が占める重要性が拡大している。ASEANが世界のGDPに占める割合は、00年の4・9%から15年は6・1%に増加し、世界の総輸出に占める割合は、同期間に6・7%から7・1%に増加した。

 ASEAN経済の高い成長を受け、ASEANへの外国直接投資(FDI)も急速に増加し、14年には1328億㌦を記録し、中国(1285億㌦)を超えた。韓日中3カ国もASEANとの貿易が持続的に増加する傾向にあり、韓日中3カ国のASEANへの海外直接投資も大幅に増加した。特にASEANが中国に代わるグローバル生産拠点として注目を集めるにつれ、ASEANを含むアジア分業構造に変化が生じた。既存の韓日中3カ国の貿易構造は、韓国が日本から資本財を輸入して中間財を生産し、中国に輸出し、中国はこれを組立・加工して消費財を輸出するという方式であった。しかし、ASEANを含む過去14年間の変化を見てみると、消費財を輸出する生産拠点としての役割が中国からASEANに徐々に移動していることがわかる。これを具体的に見てみると、韓国の対日資本財輸入の割合は、00年の25・3%から14年は17・5%に減少し、韓国の対中中間財輸出の割合は、同期間に84・9%から74・6%に減少するなど、韓日中3カ国間の分業システムに変化が生じた。同時に、韓日中3カ国からASEANへの中間財と資本財を中心に輸出が増加しており、ASEANからの消費財輸入が大幅に増加した。対ASEAN向け中間財輸出の割合は、14年に韓国79・8%、中国57・2%、日本72・6%に達し、3カ国の対ASEAN消費財輸入の割合は、同年韓国が18・7%、中国8・7%、日本21・2%だった。韓国と日本は、ASEANとの貿易で中間財の黒字幅が大幅に増加し、消費財は赤字幅が拡大した。

 既存の韓日中3カ国の分業構造は、韓国と日本から中間財と資本財を輸出して消費財を輸入する形態が未だ維持されているが、技術的優位性によっては幾つかの変化が起きている。


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