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2016/12/09

<Korea Watch>輸出順位6位の8位下落へ

◆現代経済研が報告書、韓国の2017年輸出を分析◆

 現代経済研究院は、報告書「2017年輸出イシュー点検と示唆点」を発表した。16年は2年連続輸出が減少して世界輸出順位も6位から8位に下落する見込みなど輸出不振が続いている。2年連続の輸出不振を打開するために17年の輸出環境の点検および下方リスクに対する対応策を模索してみる。

 世界経済が緩やかな回復傾向にある中、17年は成長の重心が先進国から新興国に移動すると予想され、新興国向け輸出の依存度が高い韓国の輸出回復を牽引する見通しだ。16年1~10月の新興国の成長低迷は、約57・5%と新興国輸出依存度の高い韓国の輸出回復が制限された。しかし、17年には世界経済の重心が先進国から新興国に移動すると見通されており、韓国の輸出回復に大きな期待がもたれる。

 米国の内需浮揚策および金利正常化で17年もドル高が持続する見込みで韓国の輸出価格競争力が強まる見通しだ。今後、基準金利引き上げや米国のインフラ投資拡大などでドル高地合いが続く可能性がある。この場合、ウォン安基調によって韓国の輸出の伸びが期待される。しかし、米国の金利引き上げに伴う新興国資金の流出憂慮、米国と中国の為替レート争いの可能性などで年中韓国ウォンの変動リスクも拡大する懸念が存在する。

 米国の景気浮揚、中国の供給過剰緩和、原材料価格上昇などで17年は世界的なインフレ圧力が期待され、輸出単価の上昇圧力が発生する見通しだ。米国の物価が上昇しており、インフレーションへの期待心理が強まっている。世界の工場の役割を担ってきた中国の生産者物価指数の反騰もやはりインフレ圧力として作用するだろう。しかし、世界経済が低成長を持続する状況で輸出単価が上昇した場合、購買力を制約する輸出数量指数下落の圧力として作用する可能性も存在する。

 世界の通商環境が保護貿易主義や新孤立主義中心に再編され、米国や中国との通商摩擦が深刻化し、加工貿易を通じた韓国製品の輸出も打撃を受ける見通しだ。米国は貿易収支の赤字傾向が続き、過去最高水準にまで達しており、このうちの半分近い赤字が中国との貿易から発生している。


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