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2019/03/01

<Korea Watch>世界経済の減速で輸出打撃

◆現代経済研が報告書、2019年輸出の主要問題を分析◆

 現代経済研究院は報告書「2019年の国内の輸出主要問題」を発表した。17年以降、韓国の輸出額は増加傾向を持続していたが、輸出増減率は傾向的に低下しており、輸出額は減少している。特に18年12月の輸出は、前年同月比1・7%減、19年1月には前年同月比5・9%減少し、輸出の鈍化幅が拡大した。

 ①世界経済減速の可能性―今年は世界経済の成長が鈍化すると予想されており、韓国の輸出は打撃を受ける可能性が高い。IMFなどの国際機関等が、世界経済の成長率見通しを下方修正しており、世界的な貿易紛争は、中国の景気減速、英国が欧州連合(EU)と合意のないままEUを離脱する「合意なしブレグジット」の可能性など、世界経済の下方リスクが散在している。

 とりわけ、19年の中国の経済成長率と輸出増加率が下落することにより、中国の輸出依存度が高い韓国の輸出への打撃は避けられないと予想される。このため、世界的な景気減速の可能性への監視を強化し、積極的な対応策が必要だ。

 ②グローバル化に逆行する貿易基調―世界貿易機関(WTO)中心の多国間貿易交渉の遅延で二国間の貿易自由化がグローバル化をリードしていたが、昨今の米中貿易紛争などで自国優先主義が拡大している。2000年代以降、国家間の自由貿易交渉(FTA)など地域主義がグローバル化をリードしたが、最近は地域貿易協定の発効数が急減している。また、英国のEU離脱や米中貿易紛争などが韓国の輸出にマイナスの影響を与える可能性が拡大している。自国優先主義などによるグローバル化への逆行があり、今後の持続可能性に備え、多国間貿易交渉を支持する国家間の協力を拡大しなければならない。

 ③輸出量増加維持の可能性―17年以降、輸出量は増加傾向を維持している。産業別では、石油化学、機械、IT業界で物量が相対的に大きく増加した。18年の輸出増加率は17年比で減少したが、これは物量が要因ではなく、単価の要因が大きい。17年の通関基準の輸出増加率は15・8%で物量寄与度は5・3%、単価寄与度は10・5%だった。18年は輸出増加率が5・4%で鈍化したものの、単価寄与度が2・1%減に急落したのに対し物量寄与度は7・5%だった。産業別では、鉄鋼、自動車産業の輸出量が小幅減少したが、石油化学、機械、IT業界での輸出量が大幅に増加した。18年に低迷していた鉄鋼や自動車産業の輸出増加率への寄与度は、それぞれ2・8%減、1・4%減を記録した。


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